二面性

Open App
12/16/2025, 9:16:37 PM

衝撃音と共に欠片が舞った。

グラスが割れてしまうのはこれで何度目だろうか。

考え事なんてするもんではないな、なんて思った。

どうしようもないことを妄想して悦に浸っていた。

円環をなしたループとやらの外にいる我々。

コンマを刻むごとに増えていく。

夢とはその数値を繰り返して覚えていくものだ。

そして覚えた先で人間は___

暴走し始めた思考にやっと気づき首を振る。

眠っている横顔にかかった髪を払いもせず眺めていた。

どんな記憶を反芻しているのだろう。

起きたらきっと、忘れてしまう。

[君が見た夢]

12/15/2025, 10:25:43 AM

あ、死のう。

ふと思うには暗い想いだった。

今までの自分は死んでも後悔しなかっただろうか。

まともに生きることを勧めるくせして束縛は強まる。

結局人間は本能でしか自分を証明できない。

性欲の傀儡になろうが周りを淘汰しようが本能なのだ。

A どうしたの?

B 死にたい。

A 死にたいの?

B いや、生きたい。

嫌いなものは捨てて好きなものは籠に入れる。

そんな価値観を眺める第三者が自分だと思い込んでいた。

神に成りたかった。

[明日への光]

12/14/2025, 10:56:10 AM

遥か彼方から眺めていた。

結末がどうであれ結局それはそうなのだ。

なんて短い生だろうか。

何かを成すには余りにも短いくせして、

何もなさぬには余りにも長すぎる。

30億秒の時間が全て泡となり消えるのだ。

幾度となく過ぎていくこの時間が今はただ、

余りにも苦しかった。

[星になる]

12/14/2025, 6:35:08 AM

人の声が聞こえる。

今僕は演じている。

その演劇も今日で終わりだ。

上がった幕が降りるのは必然

心残りなんてない、と言ったら嘘になる。

もっとここに居たかった。

もっと笑っていたかった。

たった十数年。

されど十数年。

今度は君が逢いに来てね。

[遠い鐘の音]

12/11/2025, 11:41:14 AM

湿った空気が吐き出される度白く染まった。

幾度と無く夢見た世界は跡形も残さない。

その太陽に焼き尽くされたい。

会いに来て。

僕の体も心も溶かして。

溺れるほど遠くへ連れて行って。

[夜空を超えて]

Next