みどり

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6/16/2023, 12:28:53 PM

 どんなに嫌でも若いうちは仕方なく働いていたが、遂に耐えられなくなって会社をやめた。元々素早くも上手くも出来ない。年を取れば尚更だ。やめてみて、体調も心もそれなりに復調したが、また働く事になった。覚えなくてはならない事がありすぎて、初日で吐きそうになった。これから毎日つらい思いをしなくてはならない。苦しい。

6/15/2023, 12:08:54 PM

 昔、姉に「何かおすすめの本があったら貸してよ。暇だから」と言われたので、「友よ、静かに瞑れ」を貸したら、「やっぱいいや」と返されてしまった。私としては面白かったのだが、姉とはとことん趣味が合わなかった事に気付いた。以来、趣味が合う人間など会った事がなかったので人にはすすめないようにしてきた。
 今は「神々の乱心」を読んでいる。何年か前に読み始めてはいたが、やめてしまっていた。少し前に「業火の地」をあっという間に読んでしまったので、やめてしまった「神々の乱心」をまた読む事にした。この本は上下とあるが未完なので、はて読み終えた時に次は何を読もうか悩んでいる。逆におすすめを知りたいくらいだ。

6/10/2023, 4:00:58 PM

 「何か、いいストーリーないの?」
「ストーリー?」
「いや、ストーリー考えるの、みどりちゃん得意じゃん」
「……今、ちょっと考えてるのは……」
「教えてよ。お願い」
「架空の国なんだけど」
「うん」
「ルヤ人とルヒョン人という民族が居る国で。ルヤ人とルヒョン人は、見た目が同じだけど、ルヒョン人は爪が生まれつき黒いんだ。でも、たったそれだけの事で、ルヒョン人は迫害されている。でもある日、ルヤ人の殺し屋とルヒョン人の奴隷が出会って、二人が人種に関係なく仲良くなっていく、的な……」
「へぇ」

 中学生時代、絵の上手い友人と私の会話だ。共作で漫画を描こうとしたのだが、結局出来なかった。彼女は今では専業主婦だ。今でも、このストーリーが忘れられない。自分にもっと文才があれば、小説に出来たのかもなぁ……。 

6/9/2023, 1:47:43 PM

 今はあるか分からないが、私が高校生時代には強歩大会なるものがあった。夜の九時頃に低山の頂上から高校の校舎まで朝までに帰ってくる、というものだ。酔っ払いのおっさんたちを見ながら夜に校舎まで自転車で行き、バスで頂上まで行く。特攻服のヤンチャな人たちが車でひやかしに来たりして、先生たちが追い払い、スタートする。何キロか毎に休憩ポイントがあり、果物やらお菓子やらスポーツドリンクなどが無料で楽しめた。そうして、夜は明けていき、すっかり朝になるとようやく校舎に到着する。校舎ではやはり無料でうどんが振る舞われた。うどんを食べ終え、眠気と戦いながら自転車で帰るのだ。蛇行しながら帰った記憶がある。誰も居ない夜道を友人と歩いていく経験は、刺激的で楽しくしんどかった。ひんやりした夜の空気も心地よかったが、あの朝日が昇ってくると共に感じる温かさは、クタクタの体に活力を与えてくれた。
 大人になってからは、朝日の光から活力を貰う、なんていう経験はなくなった。あの経験は貴重だったようだ。

6/8/2023, 11:43:54 AM

 いわゆる普通に人生を送ってきた人からすれば、私は逃げてきた人となる。中退も経験したし、体は傷つけなかったが、薬を多く飲むなんてのも経験した。それでも、生きてはいる。底辺でしか生きられないが、なかなか死なない。中退して無職の日々は金はなかったが、趣味の小説のようなものを考えて書くのが楽しかった。あの頃から文章にする、という行為が自分にとっては必要なのだと知った。誰かに見せる気はないし、此処で書いてるのも別に見せたいのではなく、何となく文章にする行為を続けたかったからだ。あの頃の文章を考えている時間は、確かに自分の人生の中では岐路だったのかもしれない。
 私は埴谷雄高氏を尊敬している。半世紀以上も同じ題材の小説を書き続けられる幸福と孤独と苦しみを埴谷氏は抱き続けたまま、亡くなられた。「小説が完結しなければ、幽霊となって誰かに乗り移ってでも書く」とまで言わせるその情熱と執念。私にもそんな情熱と執念が欲しい。もし、それらを少しでも手に入れられたならば、またそれは人生の中の岐路になるのかもしれない。

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