雷鳥໒꒱·̩͙. ゚

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7/12/2023, 10:50:00 PM

―1件のLINE―

«バイバイ»

と、ただそれだけのLINEが来た
カタカタ、カタカタと
残業を消化していく音だけが鳴り響く部屋に
短めのバイブと共に
送り主が彼女であることに気づいた瞬間、
俺の背が冷や汗に濡れた
頭の中が真っ白になって、
俺は弾かれたように席を立ち、
夜の闇を走り抜けた
夜に溶けそうな彼女を追って

7/10/2023, 1:04:10 PM

―目が覚めると―

昨夜だっていつも通りのベッドで
寝たはずなのに、
目が覚めると…
みたいな、おとぎ話とか、ファンタジーとか
そんな世界にばかり見蕩れて、憧れて
現実になんて見向きもしなかった私に
今更巡って来るものなんてなく
突きつけられる現実に、
逃避する術も分からず、
行先さえも阻まれて
とうとう、
型に嵌められて生きるしかなくなってしまった

7/8/2023, 2:52:41 PM

―街の明かり―

ポツポツと街の明かりが遠くに見える
雪がしんしんと降り積もる街の明かり
はあ、はあ、と切れる息
吐息は白く、空気を漂う
手足は悴み、痺れ、
ずっと雪の中を歩いた足は
ボロボロに草臥れて震えている
やっと見つけた温かさ
街灯に照らされて雪がふんわりと浮かび上がって
ほわほわと柔らかく賑わう人たちで溢れている
これでもう安心だ
これからは、この人たちに支えられて
ここの人として生きれて…とぼんやり考えた
頭がぐわんと揺れ、雪の上に倒れた
誰かの助けを待とう
きっと優しい誰かが私を拾ってくれる
私には幸せな未来が待っている
そのはずなんだ…
そう思いながら瞼を閉じた
目の前には真っ黒な世界が広がる
私は黄泉に飛び、天国に辿り着いた

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7/8/2023, 12:20:34 PM

―七夕―

その子にも叶えたい願いが出来ればいいな
と思ってしまう私がいる
私のように
みんなの願いが叶いますように
としか書くことが出来ない、
偽善者にしかなれない、仮現実主義者の
短冊を見ると

↻ ◁  II  ▷ ↺

7/4/2023, 10:47:23 PM

―神様だけが知っている―

短編集のようで
長編のように長い、長い
この物語は、
現在進行形で進んでいて、
ハッピーエンドかバッドエンドか、
若しくはメリーバッドエンドか
どんな終わり方なのか、いつ
終わりが訪れるのか
作者でさえもまだ知らない
その物語のラストは、そう
神様だけが知っている

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