―街の明かり―
ポツポツと街の明かりが遠くに見える
雪がしんしんと降り積もる街の明かり
はあ、はあ、と切れる息
吐息は白く、空気を漂う
手足は悴み、痺れ、
ずっと雪の中を歩いた足は
ボロボロに草臥れて震えている
やっと見つけた温かさ
街灯に照らされて雪がふんわりと浮かび上がって
ほわほわと柔らかく賑わう人たちで溢れている
これでもう安心だ
これからは、この人たちに支えられて
ここの人として生きれて…とぼんやり考えた
頭がぐわんと揺れ、雪の上に倒れた
誰かの助けを待とう
きっと優しい誰かが私を拾ってくれる
私には幸せな未来が待っている
そのはずなんだ…
そう思いながら瞼を閉じた
目の前には真っ黒な世界が広がる
私は黄泉に飛び、天国に辿り着いた
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7/8/2023, 2:52:41 PM