―日常―
人はみんな、日常の中に
“何か”を求めながら生きている
目には見えない何か
それは人それぞれだ
例えば愛や幸、或いは保証、若しくは本音
承認、生き甲斐、自分自身をも見出したく
日常に求めながら生きる
誰の目にも見えないものだから
本当はすぐ近くに在ることにも気づかず
自ら生み出すものだとも気づかず
ただ飢えて、空気にだけ縋りついている
ほろりほろりと、自分でも気づかないうちに
たくさんの“何か”を失いながら
そして何れはみんな、
何を求めていたのかすら分からずに
知らない“何か”が欠けたまま
その“何か”にさえも気づかずに
欠けていることすら分からずに
ただふわふわと漂っている
心臓も脳も何もないのに、
あたかも持ち合わせているように魅せる、
海月のように
―好きな色―
赤にオレンジ、黄にピンク
青に紫、緑、紺
白黒つかずもをかしかり
混ざりきらぬもまたをかし
色どりとりどり好きな色
個性とりどり十人十色
―落下―
今までに感じたことの無い程の勢いで、
落ちていく
とてつもなく大きな力に背中を
押し潰されているような
若しくは巨大な引力に
引き寄せられているかのような
ジェットコースター、バンジージャンプを
ものともしないようなスピードで
どこまでも落ちていく
底なんてものは存在しなくて
ずっと変わらない、真っ暗闇が、
私を包んで奈落の底に突き落としてくる
言い表せない程強い衝撃を感じて
やっと目が開いた
一瞬にして金縛りが解けていく
それでも動くことは出来ないまま、
感覚が当てにならないくらいの時間を
ここで過ごしてる
―未来―
もし未来を知っていることができたら
未来を読むことなんてできたら
きっと、ものすごく楽だ
何も苦労せずに済むんだろう
ただその未来を信じて行動すればいい
でも、分かりきった未来に向かって進むなんて、
友達にネタバレされたドラマを見るようなもの
きっと味気なく、本来の何倍だってつまらない
途中でどうでもよくなって諦めちゃうんだろう
そう思うと、世界ってよくできてるんだなぁって
それぞれが丁度いいバランスで動いていて
それぞれのメリットやデメリットなんかが
折り重なり合って世界が成り立ってる
―1年前―
記憶のある中で、1番楽しかったのは、
1年前だったかもしれない
毎日がとても楽しいと同時に、
苦悩も葛藤も沢山あったし、嘘だって
沢山ついてきたけれど
今の窮屈さよりかは大分と
居心地よかったはずだ
それなのに、そこに戻りたいかどうかと
言われれば、私は少し怖気づいてしまう
1年前の私はきっと、自分が如何に幸せなのか
1年後の自分も幸せで居続けられているのか
露ほども知らなかっただろうから
嗚呼!無知って怖いなぁ!未来って恐ろしいなぁ!!
なんて、叫んでみたくなる
いつまでもいつまでも、これはきっと夢なんだ
なんて、思い込んで終わりにせずには居られない
そんな自分もまた、情けないよな
昔の自分だって今の自分だって、
掛け替えのない、私の、一欠片なのに
昔の自分を否定するとか、
妬むとか、卑下するとか
今の自分を放棄するとか、
憐れむとか、諦めるとか
自分を蔑ろにするなんて、やるべきことじゃない
そんな考えを持つのもまた、自分自身だ