愛を注いでいたかのように、前回の続きになります。
やけに装飾されている大きなドアを押し開けた。
「え?」
拍子抜けした。もっと由緒正しい競売を想像していた。
「これじゃ、ただのホテルのビュッフェ、」
『な、そう思うだろ、でも』
〈あれ?憲冶さぁーん、〉
『?、ああ、樹香お前も居たのか』
「樹香?」
『あいつだよ、前シゴトで一緒だった、』
「エロ女!」
〈誰がエロ女だ、綺麗な樹香姉さんだろが〉
「…女、怖ぇー」
〈変なとこ大きくなりやがって、エロガキめ、〉
『樹香もシークレット狙ってんのか』
〈えぇ、何が出るかは分からないけど、
高価なものになるとか、ならないとか、〉
『こいつも、今回のシークレット狙ってるんだ』
おっさんが俺の頭をくしゃくしゃ、と撫でた。
〈省吾まで狙ってんの? まぁ頑張んなさい
色んな人がソレ狙ってるらしいからさ〉
パチンと部屋の電気が消され、さっきのメイドさんが
マイクを取った。
[ご来店の皆様お待たせしました。
只今より競売を始めさせて頂きます。]
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心と心の繋がりが、前回の続きになります。
[ようこそ、おいでくださいました。]
メイドらしい服を着た女が話しかける。
憲冶(俺の親父の代わりの人だ)が、すっと胸ポケット に手を伸ばし、招待状らしき黒のカードを出した。
[あぁ、そのカードお持ちなんですね。
どうぞこちらへ、]
「なぁ、おっさん、何処に行くんだ?」
『ん?裏競売。』
「!!、なんか面白そうじゃん」
『あんまし、騒ぐな、と言いたいところだが…』
メイドの女が急に後ろを振り向いた。
[こちら、本日のメニューになります。
シークレット商品ががとても高価なものになるとか、
ならないとか、まぁ、どうぞお楽しみください。]
やけに装飾されている大きなドアを押し開けた。
続くと思います。
有り難う御座います。
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何でもないフリをあいつはした。
「ホントに、こんなビルの裏にあんのか?」
『あぁ、でも、ついて来たくないなら帰れ、』
「へいへい、」
何処にでもある様なビルの裏路地に地下への入り口
「うぁ、すげぇ、ホントにあったんだな」
『しっ!少しは落ち着けよ』
重い扉を開けると、そこは競売の会場になっていた。
[ようこそ、おいでくださいました。]
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続く…かもです。
手を繋いで海を越える。
目を見つめ合いながら空を越える。
高校生のその先の、
まだ大人に慣れないその姿。
馴れない景色を越える力は備わっている。
❦
ありがとう、ごめんね
この言葉を言うときは、
心を込めて言わなければならない。
軽く言うと軽く浅はかに帰って来る。
必ずだ。
気をつけよ。