愛を注いでいたかのように、前回の続きになります。
やけに装飾されている大きなドアを押し開けた。
「え?」
拍子抜けした。もっと由緒正しい競売を想像していた。
「これじゃ、ただのホテルのビュッフェ、」
『な、そう思うだろ、でも』
〈あれ?憲冶さぁーん、〉
『?、ああ、樹香お前も居たのか』
「樹香?」
『あいつだよ、前シゴトで一緒だった、』
「エロ女!」
〈誰がエロ女だ、綺麗な樹香姉さんだろが〉
「…女、怖ぇー」
〈変なとこ大きくなりやがって、エロガキめ、〉
『樹香もシークレット狙ってんのか』
〈えぇ、何が出るかは分からないけど、
高価なものになるとか、ならないとか、〉
『こいつも、今回のシークレット狙ってるんだ』
おっさんが俺の頭をくしゃくしゃ、と撫でた。
〈省吾まで狙ってんの? まぁ頑張んなさい
色んな人がソレ狙ってるらしいからさ〉
パチンと部屋の電気が消され、さっきのメイドさんが
マイクを取った。
[ご来店の皆様お待たせしました。
只今より競売を始めさせて頂きます。]
✡
12/14/2024, 6:48:15 AM