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4/7/2026, 11:49:52 AM

沈む夕日(914.6)

日常で、とても綺麗な夕焼けに出会うことがある。
それは例えば、日没前の電車の帰り道。
少し高い位置を走る電車から、沈む夕日が見えて。
空が異様に真っ赤に染まっていて。
雲が良い具合にくっきりと陰影を作っていて。
隙間から神々しく光の帯が伸びていて。
世界の滅びか祝福か。
思わず涙がこぼれそうな、厳かな気持ちになる事が。

美しい自然現象は心が洗われますね。

4/6/2026, 11:10:54 AM

君の目を見つめると(オリジナル)

君の瞳に僕が映っている。
少し緊張した面持ちで。
君の瞳孔が少し開くのが見えて、ああ、僕は嫌われていないと安心する。
君の目を見つめると、僕は勇気をもらえるんだ。
世界から許されている気持ちになれる。
心から、ありがとう。


(これ、恋人同士の話でも良いし、頭のおかしい殺人鬼の話でもイケる気がします(笑))

4/5/2026, 11:55:43 AM

星空の下で(オリジナル)

大学生の俺。
仲良くしている女子がいる。
グループで何度か遊びに行ったのち、車と星の趣味が一致して意気投合。
今日は夜景の綺麗な山奥まで二人でドライブだ。
レンタカーを交互に運転して目的地に到着した。

今日の予定、満点の星空の下で告白というわけだ。
ロマンチックだろ?

彼女は車を降り、伸びをした。

「今日晴れて良かったねぇ」
「星が綺麗に見えるな」

俺も車を降り、彼女の横に立つ。

穴場スポットで街の光も遠く人っ子ひとりいなかった。
ある意味不気味な暗さだが、星好きの俺らにとってはご褒美だった。
手すりに身を預け、しばらく互いに見つけた星座や星を教え合っていたが、会話が途切れたところを見計らって、俺は彼女の手に自分の手を重ね、

「好きだ」

と言った。
お互い顔を見合わせる。
暗順応で、互いに相手の表情が見えた。
彼女はキョトンとしていた。

「へ?」
「君のことが好きだ」

俺の告白がようやく相手に届くと同時に、彼女の顔から血の気が失せていった。

「……キモ…」
「え?」

俺の手の下から、彼女の手が引き抜かれる。
彼女は俺から遠ざかるように後退った。

「趣味の合うただの友達だと思ってた…私のこと、そういう目で見てたの?」

いや、ふたりきりで車で出かける事にOKした時点でそういう事じゃないのか?
え、これ、俺が悪い感じ?
俺は彼女に手を伸ばしたが、彼女は恐怖に顔を引き攣らせ、

「近寄らないで!!」

と叫んだ。
俺は思わず足が止まる。
彼女は勢いよく走り出し、車に乗り込むと、一目散に山を降りていった。

「は?」

俺をひとり、山奥に残し。
何てこった。
俺はタクシーを呼ぶべく、スマホを取り出した。

「嘘だろ…」

圏外だった。

4/4/2026, 12:26:38 PM

それでいい(オリジナル)

ああ、死にたい。
売り手市場のご時世、就職活動で失敗する人は少ないと聞くが、俺は全く採用に引っかからなかった。
そこそこの大学にいるし、真面目にバイトも勉強も頑張ってきたというのに。
エントリー先が大企業ばかりなのがいけないのか?
落ち続けると己の価値低下を実感して鬱々とする。
人生、全てうまく行かなかった。
小中学校ではいじめられ、ハブられ、高校大学でも友達ひとり出来やしなかった。
禍福は糾える縄の如しなんだろ?
そろそろ俺のターンが来ても良くないか?
就職を機に人生上向くんじゃないかと思っていた。
けれど。
公園のベンチでひとり、絶望に打ちひしがれて俯いて座っていると、
「こんばんは」
声がかかった。
顔を上げると、黒いコートを着た男が立っている。
誰だろう。知らない人だ。
無視していると、彼は俺の目の前に、何かを差し出してきた。手が黒い。黒い手袋をしている。
「これ、差し上げます」
「へ?」
「人生、変えたいのでしょう?」
俺は思わず彼の手から細長いものを受け取っていた。
「人生、死ぬ気になれば何でもできますよ」
手にした物は果物ナイフのようであった。
「これは特殊なナイフでして。こう、頸動脈を切ると生まれ変わって、人生やり直せるんです」
「は?」
「まぁ、信じるも信じないも、貴方次第です。では」
彼は鼻歌を歌いながら去っていった。
満月の月明かり。周囲に人気もない。
薄っすら靄がかかっている。
何だか夢でも見ているみたいだった。
ぼんやりしてしまった。
俺の手には果物ナイフ。
俺はそれを鞄にしまい、トボトボと家路に着いた。

ああ、本当に死にたい。
家族からも呆れた顔をされた。
そんなだから就職できないのだと詰られた。
就職できなくても家を出ろと言われる。
どこからも、誰からも必要とされていない俺。
そのままの俺で良い、それでいいと言ってくれる人間は過去も今も皆無だった。
自分が捻くれた思考をしてたり、色々人と違っていたり、感情の起伏が抑えられなかったり、悪い所が色々あるのは知っている。けれど今更変えられない。
人生やり直したい。
俺は鞄から果物ナイフを取り出した。
これは神様からの贈り物だったのかもしれない。
あの黒ずくめの男は人生をやり直したい俺のために地上に遣わされた堕天使だったのかも。
ゲームのリセットボタンを押すように、これで人生をやり直す。
俺はいくらか躊躇った後、勇気を振り絞って己の頸動脈を切り裂いた。
(やってやった!!)
噴き出す生温い己の血のシャワーを浴びながら、俺は希望に満ちた気持ちで事切れた。


警察や少しのマスコミ、近所の人が集まる中、私はその家の前の道を通り過ぎた。
「何かあったんですか?」
スウェットを着た、明らかに近所の人らしき人に問いかける。
「昨夜救急車と警察が来てね。どうやらここの家の長男君が亡くなったらしいんですよ」
近所の人はスマホで非日常を撮影しながら言った。
「しかも、部屋が血だらけで。自殺らしいって」
「そうなんですか」
「いやーお気の毒だよねぇ」
全くそんな風に思っていないのが丸わかりだった。
「それは本当に」
私は、善意の他人、同情している風を装って答え、その場を後にした。
十分に現場を離れてから、ニンマリと微笑む。
(まさか本当に信じるとはね。怖い怖い)
私は堪えきれなくなって、クツクツと笑った。
(追い詰められた人間が一線を越える手伝いをするのは楽しいな)
今度はどんなお遊びをしようか。

4/3/2026, 3:33:39 PM

1つだけ(オリジナル)

職場の素敵な先輩。
決してイケメンの類ではないのだけれど。
いつも飄々と仕事をこなし、スマートだ。
尊敬する。
美味しいお店をたくさん知っていて情報通。
関西方面の訛りがある。
話がとても面白い。
態度が皆に公平、平等。
若干のコミュ障である私にも普通に話しかけてくれて。
仕事で困った事があると、すぐに声をかけてくれて。
助けてくれる。
お客様に怒られる時や謝りに行く時も、先輩だからと一緒に行ってくれて。
とても心強い。
落ち込んで気が滅入っている時は、飲みに連れて行ってくれて、愚痴を沢山聞いてくれて、励ましてくれて。
本当に最高の存在だ。

けれど。

1つだけ問題があった。


彼は私の妄想で、私の頭の中にしかいないという事だ。

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