せつか

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3/7/2026, 12:34:03 AM

「あの人が間違えてたらどうするの?」
「間違えないよ。アイツが間違ってるなら俺も間違えてるって事だから」
「みんな怖がってるよ」
「みんなって誰? 俺の周りにはアイツと仲良い奴もいっぱいいるよ。怖がるどころか平気で頭はたいてる奴もいる」
「それは仲間だからでしょ」
「アンタが言うことが正しくて、アイツが間違ってていつか罰を受けるとしたら、·····その時は俺も一緒だよ」

彼の言葉に、私は決して立ち入れない壁のようなものを感じた。


END


「絆」

3/5/2026, 12:01:40 PM

なんだかよく分からない夢を見た。

船に乗っていた気がする。
船に乗って、甲板に出したリクライニングチェアに座って、ぼんやり波を見つめていた。そんな優雅な船旅などこれまで体験したことが無くて、だからこれは夢だと思った。
リクライニングチェアの横にはサイドテーブルがあって、シャンパンまで用意してあった。
まるで貴族か大富豪にでもなった気分で、青い空を見上げながら白い波に揺られている。

どれくらいそうしていたのか。
青い空がいつのまにか灰色に変わり、穏やかだった波が次第に激しくなっていた。
リクライニングチェアで長まっていた体が不安定に揺れ始める。
怖くなって半身を起こし、辺りを見渡した。
「――」
誰もいない。
そこそこ大きな船のはずなのに、なぜか自分以外船員の姿はどこにもなかった。
激しくなる波に合わせて体が何度も上下する。
リクライニングチェアから立ち上がり、揺れる甲板の手すりに掴まる。
「·····」
波はいよいよ激しくなる。力を入れて掴まっていないとひっくり返ってしまいそうだ。
「――」
怖くなって思わず名を呼ぶ。

◆◆◆

そこで、目が覚めた。
「起きた?」
「――」
呆然として見上げる。
黒い瞳が面白そうに自分を見下ろしている。
「君が寝落ちしちゃうなんて珍しいね。そろそろ起きて。会議始まっちゃうよ」
ゆっくり視線を動かすと、肩に手が置かれている。
「いいでしょ、たまには。いっつも君が俺を起こしてくれるからさ。今日は逆だね」
クスリと笑うその顔は、心底楽しそうで。
「·····」
からかわれているのだと、気付いた。

「おわっ、なになに? 君から抱きついてくるなんて珍しいじゃん」
「うるさいよ」
「·····」
「お前が揺するから変な夢見たんだ」
肩に顔を埋めて呟くと、またクスリと小さく笑う。
「ごめん」
「いいよ、別に。でも――」
「でも?」
言うか言うまいか、少し迷った。
「会議室まで連れてって」
「·····いいの? みんなに見られるよ?」
「いいだろ、たまには」
ぶっきらぼうに呟くと、額に口づけが一つ降らされた。

会議室まで、ここから徒歩約三分。


END


「たまには」

3/4/2026, 2:53:55 PM

言葉を届けることはもう出来ないけれど、いつでも君の幸せを祈っているよ。
君が立派に、元気に、幸福に日々を過ごすことが出来るのを本当に、心の底から祈っている。
もう二度と会えなくても、昔みたいに笑い合うことか出来なくても、あの幸せだった日々は私の胸から消えない。君の胸にも、あの過去が僅かでも残ってくれていたら嬉しい。これは私の本心だからね。

大好きな君にこれだけは伝わっているといい。

大好きだよ。


END


「大好きな君に」

3/3/2026, 3:28:25 PM

「子供の頃、友達の家の立派な段飾りが羨ましかった。お雛様だけじゃなくて、リカちゃんでもシルバニアでも、立派な家やたくさんのドレスやお友達や家族を揃えてるのが羨ましくて、遊びに行くたびそれで遊びたがったなぁ。今思えば、やらしい子供だったと思う。特別貧しかったワケじゃないのに、私のオモチャはほとんどが従姉妹のお下がりで。だからリカちゃんハウスは古くて色褪せてたし、リカちゃんそのものも髪がごわごわでドレスも古臭かった。弟は新しい超合金のロボット買って貰ってたのにね。·····多分、だけど。いわゆる女の子向け玩具、ってのがお母さんは嫌いだったんだと思う。ビーズアクセサリー作るやつとか、編み物とかお菓子作るやつとか、そういうのは家に一つも無かったから。私は·····羨ましかったなぁ」

「はぁ、一気に喋ったら喉渇いちゃった。ん? あぁ、もう今は何とも思ってないよ。他所様と比べてもしょうがないし。ただ毎年この季節になると考えちゃうんだよね」

「大人になって良かったのは、子供の頃欲しかったものに手が届くってことかな」

そう言った彼女の部屋に、いわゆる〝女の子向け玩具〟や〝可愛いもの〟は一つも無かった。



END


「ひなまつり」

3/2/2026, 2:08:52 PM

2次元でも3次元でも、推しが幸福であること、不当に貶められないこと。以上!!


END


「たった1つの希望」



※お題とは関係ありませんが、「いいね」が累計10000を超えました。ありがとうございます。「毎日必ず何かしら書く」を目標に続けてきました。
とにかく続けることで文章表現について何らかの糧になったのでは·····?と思います。読んで下さっている皆様、ありがとうございます!

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