せつか

Open App
10/30/2025, 3:36:04 PM

「そして、私は真実を知ったのです。これは私とごく一部の者しか知らない世界の真実です。この世界のあらゆることを影で操っている何者か。その正体を体に星の痣のある選ばれた人だけが知っているのです。私のように貴方もその仲間になれば、この世界が誰によって動かされているのか知る事が出来ます。是非私達のセミナーに·····」
なんて語り出す人は危ないから近付いちゃ駄目だよ、って、何度も何度も口を酸っぱくして言ってきたのにさぁ·····。
よりによって身内がそうなるなんて、誰が想像出来たんだよ·····。

はーあ。
今までは比較的順風満帆な人生だったのになぁ。
どうやって説得しよう·····。

そして·····。
そして、僕は途方に暮れる。


END



「そして、」

10/29/2025, 4:18:31 PM

もしも私がアナタと同じ生き物であったなら、この思いを伝えることも出来たのだろう。
脆弱で、ちっぽけで、アナタ達という庇護者がいなければ生きていけない私達は、ただ一つ与えられた特殊な力でアナタという存在を知る奇跡に出会えた。
私と、私と繋がる仲間達は今、アナタという存在の信奉者になっている。

私はアナタのそばにいられるという栄誉に浴し、アナタの手に触れられる悦びを、アナタの声を聞く恍惚を、全身で受け止めている。
アナタにとって私はただの道具であり、飼育物である。それ以上でも以下でもない。
私がアナタにこんな思いを抱いているなんて、想像もしないのだろう。それでいい。

アナタは光。
私はアナタの為に道具としての勤めを果たしながら、アナタに触れられた悦びを、微かな念波に乗せて仲間達へと伝える。
アナタは気付きもしないだろう。
私がどれほどアナタに恋焦がれているか。
この微弱な、小さな小さな愛はアナタに気付かれることなくただ静かに寄り添って、やがてアナタの命が終わるその時までじわじわと広がっていくのだろう。

アナタの長い指が伸びて、私に触れる。


END


「tiny love」

10/28/2025, 4:06:46 PM

アレ、結局なんだったのかね。
お・も・て・な・し って。
何か残ったモノがあったのだろうか。


END


「おもてなし」

10/27/2025, 4:37:48 PM

その目に気付いたのはいつだったか。
最初はああではなかったと思う。
強い眼差しではあったが、まだ触れられるあたたかさのようなものがあった。

「·····」
あぁ、また。
瞳の奥で、消えない焔が揺れている。
触れたら一瞬でこちらが消し炭になってしまいそうな、超高温の炎がその瞳には宿っている。

彼は私をどうしたいんだろう。
自分一人のものにしてしまいたいのか。
心も、体も。
もうとっくに私は彼のものだというのに。
他の誰にも触れさせないつもりなのか。
そんな出来もしないことを望んでしまったのか。
·····あぁ、そうか。
出来もしないこと、じゃないから彼は今、あんな目で私を見つめるのか。
やろうと思えばいつでも出来る。私を閉じ込めて、他の誰の目にも触れさせないで、自分一人しか見えないようにして。そうして私を正真正銘、自分だけのものにしてしまいたいのか。
やろうと思えばいつでも出来るソレをやらない事に、私は何を思えばいいのだろう。

彼は知らない。
どろどろと煮え滾る消えない焔は、とっくに私の心を焼き尽くして燃やし尽くして、彼にすっかり囚われているということに。

「いいよ、いつでも」
君のその、消えない焔で私をいっそ燃やしてしまって。


END


「消えない焔」

10/26/2025, 3:03:05 PM

どうして戦争はなくならないの?
人は死んだらどうなるの?
幽霊はいるの?
宇宙人はいるの?
死後の世界はあるの?

終わらない問いは一度考え出したら本当に終わらない。


今の私のもっぱらの疑問は
「推しはどうして尊いの?」
です!!!


END


「終わらない問い」

Next