テツオ

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5/18/2024, 5:08:59 AM

真夜中のミッドナイト、というラジオ番組名は笑えた

5/16/2024, 3:38:39 PM

今のところ、書いているが、いつ完成するかわからない。
ここのところ、自分の文章はヒドイと感じるので、やはり、いつ完成するかわからない。
しかし、ふつかくらいたてば、形にできるはずだ。

自分は、今回はじめて、プロットみたいなものを活用することにした。
だからといって「VIVANT」とか「SEVEN」とか「キングスマン」「ハングオーバー!!!」みたいな、めちゃくちゃおもしろい脚本をたてられるわけじゃない。

ほんとにできるかは知らないが、カノジョにこう聞かれたら、胸張って頷ける男でいたい

5/16/2024, 6:14:54 AM

「後悔ってこうかい?なんつって……」

ダジャレは宙をまった。それだけだ。
笑ってくれるひとなんてましておらず、ツッコミも、無視するひとすら、いない。

風景はいつもとかわらず……
あじけないくらいまっしろな雪は、町中のやわらかな照明に、うっすら照らされて……

太陽も、空も、草も花すら、なんにもない。

なんにもないが、
雪と建物と、針葉樹以外、なんにも残らなかったが、おれはまだここにいる。
弟すらいなくなったのに。おれだけいる。

なんでもないような素振りで立ち上がってみた。
ずっと地べ、雪べた、に座ってたから、ズボンは雪を吸い込んで、ぐしょぐしょだ。
弟がいまのおれを見たら、どう思うかな。

「ウヒョウ!これで洗濯しなくてよくなったな……なんてな」

そんなこと、いうわけなかった。

あるくと、履いたスリッパが毎回雪にしずむ。
お世辞にも、あるきやすいとは言えない。
当たり前だ。室内用のスリッパだし。

弟が「ちゃんとした靴はきなよ!」って、隣であるくたび、言ってきたのをよく覚えてる。
ほんとにそうだ。思い出してるだけなのに、弟の言葉に納得できるよ。

弟は「転んだらカクジツ顔からだな!
兄ちゃん、いっつもパーカーのポケットにていれてるし!」とも言った。
おれが、いいダジャレを言って……弟がおきまりに地団駄をふんで……そのとき、なんて言ったかは忘れたがたのしかった。
さいごに「兄ちゃんがころんだら、ぜーったいわらってやるからな!」って捨てゼリフみたいなのをのこして、早歩きでおれをおいこしてく。
おれより、ずっと弟はデカくて背が高いから、おれは追いつけなかった。

……まちのあかりから、背をむけて、歩いていると、だんだん周囲に霧がかかってきて、ちょっと先すら見えなくなってくる。

転ばないように、できるだけしっかり歩いていると、なにかが足に絡まった。

そのせいで、バランスをくずして顔面につめたい雪が容赦なくぶつかった……めちゃくちゃつめたい、
自分でもびっくりするくらいすばやく上体を起こし……ひとまず冷却スプレーを顔面にふきつけられたみたいなショックからは開放される。

それでも、足にはいまだなにかが絡まってた。
なにが絡まってるのか、を確認すべく、膝をおこす。

密度が高くて、しろいが、濁っている、霧のなかだ。
スバスバ、舞い上がった雪が視界をたびたび邪魔する。
おれの足でばさばさ揺れてるのは、赤いぬのきれだった。
弟の赤いスカーフ。

分かった途端に手をのばしたが、
わかった途端、視界がグニャッと歪んだ。
思わず目をつぶって、なにかを掴んだ感触に、もう一度目を開けた、ただの雪を、にぎりこんでるだけだった。
ちょっと笑えたが、いまにもとんでいきそうなくらいはためく赤いぬのを、みたら、真逆に泣きそうになる。

「あー……くそ」

雪とか風とか、視界をおおう霧とか、それでも眩しいぬのきれ。
ぐちゃぐちゃだったが何とか掴んでひきよせた。

「くそっ、くそ〜……」

むなしいだけだ。
ぬのきれをだきしめて、ただのぬのきれなのにな、とは思ったが、それを邪険にすることもできずに、ぬのを飛んでいかないように、風から守ろうと、背をまるめて、あげくに額を雪べたへひっつける。

目元の雪が、少し濡れたのを一瞬見た。

赤い布は弟のだ。
クズでバカでヘタレなおれの、めちゃくちゃもったいないくらい、いいやつだった弟のスカーフだ。

「う、……ッう……」

おれは後悔のしかたすら、
立派な弟から学んだ。

ころんだおれを笑うことすら、弟はできない。

5/14/2024, 11:07:57 AM

「みて兄ちゃん!星が風にふかれてる!」

ところどころにある、夜空につまようじで穴を開けたみたいな、白い点々をゆびさして、弟がおれを揺らした。
あくびまじりに、弟がゆびさす星をみあげてみるが、別になんのへんてつもない、ただの星だ。

「星だな」

とりあえず言ってみたら、弟は深く頷いて「そうだね!キレイ!」と言った。
さっきの「星が風にふかれてる」とは?
弟の、最高にイケてる思考回路が覗き見れそうだ。

「……なんで起こしたの?」

キョーミホンイで聞いてみたら、弟はハッと思い出したみたいに仰々しくおれを振り返って「そうだ、星が風にふかれてとんでっちゃってるんだってば!たすけてあげなきゃいけないでしょ!」と、まくしたてた。
おれは、もう一回空を見上げてみて、星をじーっとみつめてみた。
そしたらやっと、ちょっとずつ、星が移動しているのがおれにもわかった。

なるほど。
これを、風のせいでとんでっちゃってる、たすけてあげなきゃ!って解釈したんだな。
やっぱり超イケている。

「……なんで起こしたの?」

からかうつもりで言ってやったら、プスーッて顔を赤くした。

「もうッ!やくたたず!」
「へへへ」

ポコられながら笑ってたら、弟はふっと動きをとめて、おれをじっと見つめ出してきた。
じーっと、なんか、怪しむみたいな目で。

「なんだ?なんかついてる?」

うーん、と一声うなって、目をつぶって、また目をあける。
顎にてをそえて、顔だけはこっちへ向けてるが、目は斜め上に向けながら弟がやっと話した。

「兄ちゃん、なんでいま笑ったの?」

と思ったら、クソマジメな顔でめちゃくちゃどうでもいいことを聞いてきた、たまらない。完全におれのツボだ。

「ブッ……へへ、へ、ハハハ!」
「ええ……?なににツボってるのだ、いったい」

……しばらく笑いころげてから、息をついたら、もう一回聞かれた。

しかし、改めてなんでって言われたらむずかしい。

悩むおれに、ぐぐっと近づいてくる弟の顔をちょっと押しのけた。

「フツーにおもしろかったから……?」
「から?って、兄ちゃんに聞いてるんだよ!」

弟は、つっぱねてる手ごと、ぐぐっと近づいてきた。
おれがヒョイっと手を離すと、勢いあまって、ガクッと顔から地面に突っ込んでってしまった。

でもすぐ、もーっと言いながら起き上がる。
おれはそれと同時くらいに、うしろへたおれて、足をくんだ。

「難しくてわかんないや」

弟は、一拍だまってから、おれのとなりへ大の字に寝転んだ。
そしたら、弟はガサゴソいいながら、おれのほうを向いてきたので、おれも頭だけ転がして、弟を見る。

「……ごめんね!
兄ちゃんを困らせるつもりはなかったんだよ」

ちょっと申し訳なさそうに言われて、おれは正直たじろいだ。
弟には、おれがふてくされたようにみえたらしい。

「いーよ、気にしてないし」

ヨユーにわらってやると、弟も安心したみたいで、ニコニコした。

もう一回、おれが頭を上へ向かわすと、パピルスも顔を夜空へむける。
真っ暗で、ところどころ穴があいてて、ところどころ濁った雲が流れてる夜空をふたりで見上げて、おれは笑った。
まあまあたのしいからだ。

今夜の夜空は……おれにとって、あんまり綺麗なものじゃないけど、弟にとっては、綺麗でずっと、いきいきしてるんだろうと思う。

「あんがい星も、風にながされるのがたのしいのかもしれないね」

となりから、意外にもマジメな声がきこえてきて、ちょっと驚いたが、その言い草がまるでさっき、弟にポコられながら笑ってたおれみたいに聞こえたので、すぐ返事はできた。

「おれみたいに?」
「……ボクみたいに!だし!」
「へへ。そうだよな」

やっぱり、弟にはあの星が、おれよりずーっと綺麗に見えてるらしい。

弟には、まただ!なんで笑ったの?って聞かれたけど、今度もわからないと言った。

5/13/2024, 2:06:10 PM

失いたくない。つよく思った。

弟ははしゃいで、草っぱらをまるくクルクル走り、太陽は、弟の楽しそうな笑顔をさわやかに照らす。

弟は、ありあまる体力をぶつけるみたいに、柔らかな土のうえへ両手をついて、逆立ちをした。

「兄ちゃーん!みてみて!」

おれを、ニコニコした顔で呼んで、だけど、そうやって大声をだしたせいで、グラッ、と、体幹が揺れる。
あっと思ったのもつかのま、パサッと草が、倒れ込んだ弟の周りで舞った。

おれはいままで、しりもちついてのんきに座ってたが、ゆっくり立ち上がって、弟のほうへ歩く。

「だいじょうぶか?」

そこそこ大きめの声で呼ぶと、弟がグッドの形にしたてを突き出して「うん!」と、おれよりずっとデカくてハリのある声で言った。

かと思えば、弟はバッと上体を起こして「それより!」なんて、おれのほうを向く。

「さっきの、みた!?ボクすごくなかった!?」

キラッキラ、太陽の光がなくてもきっと輝いて見えるだろうな、っていう顔を、グーっとおれのほうに近づけてくる。

「みたみた。スゴイ立倒だったな」
「兄ちゃん!」

うしろにゴロッとたおれて、足を組んだ。
腕を頭の下にさしいれれば、今にも寝られる最高のだらけポーズの完成。
弟はおれを横目で睨んだ。
で、口を開く。

「立倒って……なに?」

口に、ニヤッときた。
てっきり小言でも言われるのかと思ったけど、そっちか。
でもまあ、そりゃ意味わからんよな、立倒なんてないし。

「立って倒れたから立倒。倒立よりイイ」

弟は、おーの口をして、大きく頷く。

「立倒はわかったぞ!でも……倒立ってなに?」

いちだんと、難しそうな顔しておれに聞いてくる。
また、ニヤッときた。

「逆立ちのことだよ」
「そうか!立倒は倒立で、立倒と倒立は逆立ちとおなじなんだね!クロスワードよりかんたんだ!」

ほんとにかんたんかどうかはおいといて、とにかく、会話はそこで終わった。
なにか、ダジャレかなんかを言おうと思って、顔をうえへ向けると、空が眼前にめいっぱい広がる。

ながれる雲に、めにしみる太陽。
圧倒されてしまって、胸がおしつぶされるカンジを味わった。

空だけで、こんなにかんどうするのはいまのうちかな。かなしいことを思ったが「ふー」
いまの感嘆の息が、たしかにおれからもれたものだから、素直にすごいな、と呟いた。

「兄ちゃんがよくわかんないSF映画以外にそう言う日がくるなんて……!」
「……おれがよくわからないSF映画以外にすごいって言うのも、SFの一種かもな」
「これだからSFはキライッ!よくわかんないもん!」

兄弟みずいらず、草っぱらのうえで寝転んで、いきづく空をみあげて、文句なしのさいこうな世界だ。

うしないたくない。
改めて思った。


5/13 それでもお題は失われた時間なんだよな。

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