「イルミネーション綺麗だね」
なんて君は言うけれど、本当は私は君のことしか見てないよ
「うん、綺麗。君と見れてよかった」
なんて言ったら君は顔を赤くするから、それも可愛くて
また私は君のことを見てしまう。
輝く光の粒。それが反射して星空のようになっている道路。
寒そうに歩く人々。
そして君がいる。そこに私もいれたら、それだけで幸せなんだよ。
たくさんある光よりも、ただ1人の君がいい。
甘酸っぱいね!!!
ずっと胸の奥が冷たくて、空っぽな感覚がしていた。
感謝の言葉を述べられても、私の気持ちを無視するような
言葉を投げられても、なんだか全部他人事のようで。
もうこんな感覚が続くなら死んだっていいんじゃないか。
って何回も頭を過ぎる。でも結局死にきれない、そんな自分も気持ち悪くて。
『お前なんていなければよかった』
『八方美人してて嫌な感じだよね』
じゃあ、もう私はどうしたらいいの?
屋上に立って靴を脱ぐ。
冷たい風を感じて、嫌なことを思い出して、今わかったんだ。
私は愛されたかったんだ。認められたかったんだ。
この空っぽな心に愛を注いで、抱きしめて温めて欲しかったの。
もしもっと早く気づけていたら、なにか違ったのかな。
死ぬのは怖い。けどもう疲れちゃったんだ。
気づくのがあまりにも遅すぎた。
次は私のこの胸から溢れるくらい、愛を注いで貰えますように。
百合注意 少し長いけど読んで欲しい
いつもの帰り道。だけど今日はいつもの私じゃない。
好きな人に『クリスマス遊ばない?』と声をかけるのだ。
君にもっと私に興味を持ってほしいから。あと私が君と一緒に過ごしたいから。
「どしたの、ぼーっとしちゃって」
その一言ではっと我に返る。考えてばかりじゃダメだ、行動に移さないと__
「あの」
「あのさ、」
……
最悪だ。言い出しが被ってしまった。どうしよう、でもこういうのは後に言った方が雰囲気出る、気がする。
「ごめん、先いいよ 」
焦ってそう声を出す。
「あ、そう?後でもいいのに、」
そう君は顔を赤くして、少し俯いた。
そして大きく息を吸って、
「クリスマスさ、2人で遊べないかな…なんちゃって…」
しばらくその意味が理解できなかった。
嘘、まさか誘われるなんて。私から言うつもりだったのに。君も私と過ごしたいって思ってくれたのかな。だとしたらもう……
「やっぱり無理かな、」
「あ、や、違う!本当は私も君を遊びに誘おうと思って」
やばい、つい言ってしまった。どうしよう。言う必要なかったよね、でも平常心、平常心。
「じゃあ、クリスマス予定開けといてね」
そう言って君ははにかむ。本当はすごく嬉しいし君のことが好きだけど、嫌われたくないから、"何でもないフリ"をする。
「もちろん、君もね」
私、今普通に笑えてたかな。
でもそんなことを気にしてないような素振りで君と帰路を歩き続けた。
相手の子目線 おまけ
誘っちゃったけど、まさか君も私を誘おうとしてくれてたなんて全然思ってもいなかった。口角が自然と上がりそうになるのを必死に抑えて、"何でもないフリ"をして
「じゃあ、クリスマス予定開けといてね」
と声を出すので精一杯だ。
君には嫌われたくないから、何でもないフリを外せるのはまだ先かな。それまで待っててね。
何でもないフリで重ね合う2人の女の子の恋の話
百合注意 死ネタ
風が冷たかった。上から見下ろすとビルや家の窓から染み出す光、蛍光色の看板、手を繋いで歩く人々。その全てが鮮明に見えた。
「おまたせ」
そう言いながら、君は私へ向かって歩く。
寒そうに頬を少し赤らめながら。
「ううん、全然待ってなんかないよ」
君は私の隣に来て一緒に街を見下ろす。
君のその綺麗で大きい瞳、シュッとまとまっている横顔、
嗚呼、好きだなぁ。と改めて気持ちを再確認した。
「私達もあんな普通な暮らしができたのかな」
君が呟いた一言に私は何も返すことが出来なかった。
「そろそろいこっか」
「もう終わりかぁ。」
「…あのさ、私、君のことが好き」
自分でもびっくりするぐらい唐突に、そう口に出していた
「なんで今言うのさ…っでも、私も君が好きだよ」
気づくと君も私も涙を流して、今更気持ちを理解した。
寒さかわからないけれど、君は顔をさっきよりも赤らめて。きっと私もそんな顔だろうな
どちらからともなく手を繋いで、
「好きだよ」
そう言って君とビルから飛び降りた。
『ニュースの時間です。本日未明、手を繋いで心中したと思われる女子高生の死体が発見されました。事件性はないとして調査を進めています__』
2人の闇を抱えた女の子が心中する話。
"君と手を繋いで"
母さんと喧嘩した。
思春期特有のやつで、本当は謝りたかったんだ。でも、
謝れなかった。気持ちとは裏腹に暴言ばかりが口ばしる。
「うるさい!!お前の子になんて生まれてきたくなかった!!」
「…っごめんね、ごめんね、」
すごく悲しそうにそう謝る母さんを見て、はっと正気に戻る。『ごめん』なんて言う前に母さんの目からは雫が零れ落ちていた。
考えるより早く、気づいたら母さんを抱きしめてた。
「…ごめん、心配して言ってくれてるってわかってるのに、謝れなくて。こんな俺だけどさ、母さんと暮らせて幸せだよ」
「"ありがとう、ごめんね"」
そう俺が言うと、母さんは目を開かせたあと幸せそうに微笑んだ。
ありがとう、ごめんね