熱異常

Open App

百合注意 少し長いけど読んで欲しい



いつもの帰り道。だけど今日はいつもの私じゃない。
好きな人に『クリスマス遊ばない?』と声をかけるのだ。
君にもっと私に興味を持ってほしいから。あと私が君と一緒に過ごしたいから。

「どしたの、ぼーっとしちゃって」

その一言ではっと我に返る。考えてばかりじゃダメだ、行動に移さないと__

「あの」

「あのさ、」

……

最悪だ。言い出しが被ってしまった。どうしよう、でもこういうのは後に言った方が雰囲気出る、気がする。

「ごめん、先いいよ 」

焦ってそう声を出す。

「あ、そう?後でもいいのに、」

そう君は顔を赤くして、少し俯いた。
そして大きく息を吸って、

「クリスマスさ、2人で遊べないかな…なんちゃって…」

しばらくその意味が理解できなかった。
嘘、まさか誘われるなんて。私から言うつもりだったのに。君も私と過ごしたいって思ってくれたのかな。だとしたらもう……

「やっぱり無理かな、」

「あ、や、違う!本当は私も君を遊びに誘おうと思って」

やばい、つい言ってしまった。どうしよう。言う必要なかったよね、でも平常心、平常心。

「じゃあ、クリスマス予定開けといてね」

そう言って君ははにかむ。本当はすごく嬉しいし君のことが好きだけど、嫌われたくないから、"何でもないフリ"をする。

「もちろん、君もね」

私、今普通に笑えてたかな。
でもそんなことを気にしてないような素振りで君と帰路を歩き続けた。


相手の子目線 おまけ

誘っちゃったけど、まさか君も私を誘おうとしてくれてたなんて全然思ってもいなかった。口角が自然と上がりそうになるのを必死に抑えて、"何でもないフリ"をして

「じゃあ、クリスマス予定開けといてね」

と声を出すので精一杯だ。
君には嫌われたくないから、何でもないフリを外せるのはまだ先かな。それまで待っててね。


何でもないフリで重ね合う2人の女の子の恋の話

12/11/2024, 12:29:32 PM