遠くの街へ
忘れないで 書き留めた メモに
見慣れぬ 街の アドレス
電車の 向こうの アジアの街角
やっと であった きれいな 女の子さ 君は
神話の中 出てくるみたいだ
いたずらそうに 口ずさむ メロディ
この街では 昔に 流行った 歌だね
白いドレスに 跳ねないように しながら
グラスを置いて ピアノを ひくから
星の 瞬く 夜は こんなに
輝く 宝石が 降ってくる みたいだ
流れる星たちが 君の 部屋の窓辺に
落ちてくる みたいだ
君の 優しさを 探しに来たよ 遠くの街へ
何度目かの デートで 買った
子どもの 頃の ような 童話の 本に 書かれた
主人公の 名前は 確か アナスタシア
何処か 違う 時間に であった みたいだ
長い 迷路の ような 世界を 抜けて
走り出す 列車に 君が 笑うから
君と 何度も 物語の 中を 駆け抜けた 気がするよ
何度も リンクして 出会った 気がする アナスタシア
異国の 街に 風が 吹くから
何度も 夢の中 彷徨う みたいに
君を 何度も 呼ぶから
その時は その細い 腕で 指先に
星たちを 呼びながら 歌うね 遠くの街へ
君が 好きな 歌を アナスタシア
現実逃避
あなたのかげのびて 叢雲の 月日は過ぎて
どこを探したのだろうか?
あんなに 輝いた 日々が 嘘のように
今は 空気のように 舞ってくだけ
少し 乾いた 風のせいだ
あぁ 月影のような ネオンが
グラムほどの 存在感 漂わせるけど
それでも 夜明けまではと 張り詰めた
空気の糸を たどって
愛が ほしかっただけなら
ちゃんと してれば良かった
君を 困らせるほどの ピンの跡
現実逃避の メリーゴーランド
廻る 影を 掻き回す スクリュー
天井に 映し出された プロジェクター
悲劇の ヒロインと 喜劇役者が
夜の果てで 泣いてる
灰になった 蝶の羽ばたき
転生輪廻のストーリー 夜の果て
瞼の裏 砂嵐 午前三時の メランコリー
君は今
何度でも 空を見てる
気まぐれな 太陽を 横目にして
あれは 多分 君が 私に
口づけのような 言葉を 教えてくれたから
ずっと 深くの 心の奥
僕が 幼い頃に 夢中になったもの
やがては きっと 白く 何者にも 染められていない
大切なものが 光っているから
君は今 何が したいの?
あんなに 君と 話していた 世界は
僕が 見た 空は 今
何色に 輝いているの?
物憂げな空
泣いている 雲が うねり
空が 昨日まで 隠していた 真実を
ふりつける 雨の音に 重ねているようだ
笑って この世界で 見つけたものは
まだ 丘を駆け上がる 空気みたいに 駆け抜けていく
それでも あなたを 想って 患って
物憂げな空から 降ってくる 思いはいつだって
湿った 体を 包む サラサラ 乾いた風が
いつかは 黒髪を 風へと 靡かせる
きらら きらりと光って
太陽に 透かした ステンドグラスのように 溶けて
昨日までの 体温を 変えていく
ぬくもりが かすかに 透き通って
やがて 僕の 心の 中には
コップに 溶け込んだ 光の 粒となって
洗い流す 涙が 音をなくして
軋んだ ときに 点滅する 儚さは
君を 大きくする
笑って 笑って 物憂げな空から
太陽が 差し込んだ この部屋は 美しい
今 光る この 切れ端は
長い 眠りを 破る
炎とは 違うもので できた
温かい 徴だ
長い 眠りを 破って
あなたへ 会いに来る
隔たりが なくなる 音階が 聞こえなくなって
絶え間なく 心臓に 流れていた
温かい 眠りを 突き破って
あなたの 顔を あなたの 両腕を
噛み切れない ほどの 言葉を
何度となく 静寂を 破った
雨の音も 今は
やがて あなたに 会えるなら
千年の 時を 超えてくる 今は 羽のように
空気を 舞うように
闇の中 あなたに 私は 何を
話し 繰り返し 帳の中で
やがては 形を 生むものの 造形を
音もなく 編んで 影を あたり一面に
放り投げて
それでも 月日は 巡り
あなたは 光を 見つけ
やがては 名前を 変えて
再び そこへ そこへ
水面の 鏡に 映る 正体を
知ることを 辞めないで
遠くへ 伸びる影を 背にしては
小さな鼓動 生まれる
小さな 命の 誕生に
光の 差した 午後に 光る
太陽を 浴びながら 素足を 浸す
キラキラ 光る 夜明けを 信じてる