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4/16/2026, 4:33:25 AM

私は何通もの恋文を書いた。
あなたを崇拝し、尊敬していると書いた。
でも、ちっとも私になびかない、あなたの冷たさをなじる言葉も、書いた。

日常の些細な出来事。世間への考え。
好きな音楽。
恋の感情だけでなく、自分自身の話も書いた。

季節は移ろい、私も何度か誕生日を迎えた。
大人へ近づくにつれ、自分と世間の軋轢を多く感じるようになった。
そういった戸惑いを「恋文」というカタチに整えて、便箋に書き詰めて、封筒に閉じ込めた。

「愛しいあなた、遠くの星のような存在……。私は信仰するようにあなたを想う」

遠くの男性に対し、私は届かぬ想いを弄んだ。
永遠の片思い。私に気づいて!でも振り向かないで!

思春期から大人になる時期。どうにもならない心と、成熟に向かう体に不安になりながら、日常を繋いでいくために、私は恋文を書き続けた。

一度も投函したことのない手紙。
少女時代に愛を込めて、私はそれらを海に捨てた。

1/10/2026, 10:52:08 AM

あのとき私は20歳だった。

故郷を去ると告げた、ある男を、駅で見送った。
閑散とした駅のホーム。
冬の終わりはまだ遠く、粉雪をはらんだ曇天を、ふたりで見上げた。

男は細い指でリュックを持った。その指は青白く、不安そうな印象だった。
私はなにかありきたりなことを言おうとして、飲み込んだ。

「もう振り向かないから」
ふいに男が言った。

私はそこでやっと、この人はほんとうにここを去るのだと、知った。

電車の到着を知らせるアナウンスが響いた。
私たちは唇を重ねた…。
一瞬のぬくもりが全ての終わりになった。
男は私から離れ、電車に乗った。
お互いに目を逸らした。
未練なんか持っちゃいけない、別れとはこういうことなんだ。

やがて電車が去り、駅のホームは、再び静かになった。
私は立ち止まった。うつむいて自分のつま先を見つめた。

これから過ごすのは、彼の居ない土地、彼の居ない時間、それらが途方もない大事のように思えて、不安になって泣いた。

夕暮れがせまる時間になり、やっと家路につくことにした。
私は重くなった足をなんとか歩ませ、夫の待つ家に、帰った。

あのとき、お互い20歳だった。モラルを失った恋は、すぐに終わってしまった。
でも私の内側に、淡いともしびのような感情が、長い長い時間…消えることはなかった。

1/7/2026, 11:09:54 AM

はらはら舞う雪。
あれは障子の向こうに見た景色。
白い雪に覆われた、庭の木々。
誰の足跡もない、美しい地面。
寒かった朝。
清らかな空気が冷たく上昇し、私の頬をきりりと引っ張った。

1/6/2026, 10:23:50 AM

君と一緒に、空を飛べたらいいな。
雲を突き抜け、成層圏を超えて、宇宙に出たら、太陽の近くをぐるりとまわる。
水星と伴走、金星にあいさつして、地球に戻る。

あるいは、君と一緒に、海に潜って、下から波を眺めるのはどうだろう。
海底の泡を踏みつけて、深海魚とダンスをしたい。

どこまでも一緒にいたいね。
手を繋いで、いつまでも、いつまでも…。

ぼくはそう考えながら、校庭で立ち止まる君を見ていた。

片想いがこんなに苦しいなんて!
君に会うまで知らなかったよ!

1/5/2026, 1:04:34 PM

冬晴れの空の下、子供たちが走る。
かつての私のように。

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