私は何通もの恋文を書いた。
あなたを崇拝し、尊敬していると書いた。
でも、ちっとも私になびかない、あなたの冷たさをなじる言葉も、書いた。
日常の些細な出来事。世間への考え。
好きな音楽。
恋の感情だけでなく、自分自身の話も書いた。
季節は移ろい、私も何度か誕生日を迎えた。
大人へ近づくにつれ、自分と世間の軋轢を多く感じるようになった。
そういった戸惑いを「恋文」というカタチに整えて、便箋に書き詰めて、封筒に閉じ込めた。
「愛しいあなた、遠くの星のような存在……。私は信仰するようにあなたを想う」
遠くの男性に対し、私は届かぬ想いを弄んだ。
永遠の片思い。私に気づいて!でも振り向かないで!
思春期から大人になる時期。どうにもならない心と、成熟に向かう体に不安になりながら、日常を繋いでいくために、私は恋文を書き続けた。
一度も投函したことのない手紙。
少女時代に愛を込めて、私はそれらを海に捨てた。
4/16/2026, 4:33:25 AM