この世に、この宇宙に、変わらぬものの一つとてあろうか
と、かつて道行きを共にした友を思い出しながら「変わりゆく」ことを寂しがる者に言ったことがある。聞いて応じるに「…そうだね…」とまた寂しい顔をしていた。寂しがるおぬしも変わって来たろう、と言ってみたが応えはなかった。
私もぐんぐん変わって来た。それは子供の頃から絶えずそうだった。誰も彼も、皆変わりゆく。だが、それは「見知らぬ者になる」のではない。それぞれの核となる“存在のユニーク”は揺るがない。それに、成長すればいろいろ変わるものだ。それは「めでたき、よろしき変化」であり、「変わるな」とは「成長するな」と同義の場合もある。芽吹きの双葉がやがて苺を実らせるのを悲しむだろうか? 冬芽で冬を越した桜が咲くのは寂しいだろうか? 赤子が無事に育ち、自分の人生へ歩み出すのは喜ばしいことだ。
日々、ときには瞬々、自分なりに愛してきたところから、新しいありようが咲くことを指して「変わりゆくもの」と考えるほうが、過去から流れてくる思いも未来から吹いてくる風も、明るくあたたかく感じることができるし、それは「今」を生きゆく力になる。
変わりゆくものに祝福を、変わりゆく自分にエールを。
クリスマスの過ごし方。引っ張るねぇ、このテーマ。まあ、今日がクリスマス当日だもんね。
さて、家計をやりくりする者である私の今日の買い物は、日本ではありがちなクリスマス用値引き食材のハントである。オーブン料理はしないし(ブレーカーが落ちるから)、手の込んだものも割り切りのもとに却下。何よりケーキまだ残ってたのだよね…
クリスマス期間は年明けまで続くものだが、日本はお正月が来るのだ。26日以降は怒涛の年末年始になだれ込む。わたしが一息つけるのは、三が日明け。今どきのお正月を皆様がどう過ごされるのかは、それぞれだと思う。うちはクルクル舞いなのです…
祖母は超高齢、母は鬼籍。私が一人ですべての料理を作る…ので、必要最低限ラインナップ。
海の向こうの遠い国ではクリスマス中、大祓を越えて新年を目指す日本。でも有名なクリスマスの歌のラストは「and happy new year」だ。祝福の数日間の後に新年を迎える。大祓も祝福も、本質は同じものだ。「新たにはじめる」とき、みんな似た必要を持つのだろう。
クリスマス・イブの夜、私のミッションはまだ終わらない。子どもが寝付いて眠りが安定するまでは。
わが家はママがパパでサンタさんなのだ。
忙しさの隙間を縫ってでも、サンタさんのプレゼントは明日の朝に気づくようにしなければならない。何故なら明日はまだ学校があるからだ。私としては、子どもの喜ぶのが今日でもぜんぜんかまわないのだが、嬉しくて眠れないような状態になると明日に差し支える。子どもが欲しがり始めてから数ヶ月も待たせたから、寝なくなってしまうのがありありと想像できてしまう。
ミッションコンプリートのために、私は決して寝落ちできない。決して。「ママも一緒に寝る」ふりが、ふりじゃなくなるとまずい。今もう眠気を感じるのだが、私にはいつものルーティンミッションもあるのだ。年寄りと子ども。なだめすかすぺーぺーの夜は、まだ終わらぬ。
めりーくりすます…
プレゼント。やっぱりクリスマスお題なのかな。日本で言う「贈りもの」だ。
日本の時節のご挨拶として、「年賀挨拶の状」「季節見舞の御便り」の他に、夏に「お中元」、冬に「お歳暮」などなどがある。現在のように連絡が容易くできることもなく、健在を知らせ感謝を示すには最低限のコストとして「時間と手間」が必要だった時代、贈りものとともにそれらが為されていたことが多かった。主役は「もの」ではなくて、「知らせ・感謝・思いやり」を届ける「便り」であり、「ものは添え物」だったのだ。もちろん、親しみや感謝を込めて、送り先様の喜んでくれそうなものが選ばれるのだが。
「贈りもの」は、形のあるものもあれば無いものもある。形の無いものは受け取る人が心に留めたり、これより先を歩む力に変換したり、いろいろな受け取り方があって、人の数だけ違いがあるものだと思う。形があって残るものならば、贈りものを受け取った事実を思うよすがになるかもしれない。
人生はギフトに満ちているという。良い物事の中に輝くものはそのまま素直に受け取りやすい。その一方で、一見ありがたくない物事や、できれば避けて通りたいけどそうもいかないものごとの奥深くにも、ギフトはある。きっとある。「これは贈りものだ」と思って受け止めるには力量が要るのだろうが、それに出くわすこと自体が、「リボンを解くとき」なのだろう。ならば、力量に不足するところは無い。
「プレゼント」は、よろしき明るさとまっすぐな祝福の姿で現れる。嬉しく喜び、温かい笑顔を咲かせて受け取るのが最良だ。受け取る側の「嬉しい」気持ちに贈る側の「嬉しい」が響く。何度見ても新しく嬉しい光景だ。
柚子の香り、今日は冬至だからこのお題なのね。
柚子湯で温まり季節変わりの疲れを取る、厄払いよろしく冬を乗り切る準備。私の暮らす場所では、南瓜を炊く。
しかしお題は柚子の香りだ。私にとって印象強い柚子の香りと言うと、「鯛の握り、柚子塩かけ」である…。非常に美味。それを出してくれる寿司屋さんはもう店を畳んでしまって、寂しい。思い出すと食べたい気もしてくるが、今日は南瓜でほくほくしよう…