良くも悪くも、僕は永遠に人間である。
たとえ僕のこの6本の手足がちぎれても、この5つの眼球が取れてしまっても、この血が赤くなっても、この心臓が動いても、空気がなければいきられなくなってしまっても、
僕は人間である。
君の口に僕の脳味噌を押し付けた。君の喉が動くのを見て安心した。
君が死ぬ1番最後まで、君の脳内で生きていたいんだ。
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殺した君の体の中を頭の中を見た。ただ、内臓があって、中にはドロドロした液体と血しかなかった。
僕はどこにもいなかった。
僕が化け物になればなるほど、1人でも生きていけるようになった。
純真を持ち、無邪気で美しかった、真っ白な頃。僕は1人では何もすることが出来なかった。いつもなにか、黒くて、ドロドロで、醜いものに押されていた。
そんな日々が続けば続くほど、僕も醜くなっていった。
僕が真っ黒になった頃には僕は1人だった。そして純潔の少年が現れた。
嗚呼、次は僕が、この子を汚さなくてはならないのか。
やっと王を見つけた。
全く、こんなところにいるなんて、今まで探し続けた僕が馬鹿みたいじゃないか。もっとはやく現れてくれればよかったのに。
「なぜ逃げたのですか。」
王は困ったように笑って答えた。
「君に会うのが、恥ずかしくて。君たちに合わせる顔 がなくて。」
情けない人である。こんな奴が王だなんて。こんな人殺しが王だなんて。僕が終わらせてあげなくちゃ。
そして僕は鏡を割った。
君より先に死んだこと、ちゃんと反省しているんだ。
僕は決して、君のことを忘れてしまったとか、そういうことで死んでしまったんじゃないんだ。でも、自分の意志で死んだことには間違いない。
僕は君が死ぬ様を想像するだけでまるで地獄をこの目で見ているような感覚になるんだ。とても生きていられそうにないんだ。それがいつの日かは分からない。
でも、僕が生きている限りそうなってしまうことに変わりないんだ。
でも、それは君も同じなんだよね。ごめん、本当に。
愛してるよ。世界。