マオ

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5/26/2025, 10:57:12 AM

君の名前を呼んだ日

君と初めて出会ったのは淡い水平線が輝く砂浜。
いつものように星を見ていたら、鳴き声がして。
振り向けば海の中に君がいて。
それから僕の日常が変わって。
毎日君を呼んだ。
君に名前をつけて。
でも、いつしか気づいた。
この子も、いずれ独り立ちしないといけない。
なら、僕のすべきことは…
最後に君の名前を呼んだ日。
僕は君にさよならをした。
君を呼べば、今でも急いで
泳いできてくれるのだろうか。
それとも、もう忘れてしまっただろうか。
君の黒い瞳とその中の光のような月夜に思いを馳せ。
それでも君の名前を呼ぶことはない。
…でも、忘れることはない。
きっと君の名前をまた呼ぶのは最期の日。

5/25/2025, 11:49:43 AM

優しい雨音

昼下がり、暗い縁側。
しとしととふり止まぬ雨音。
雨の匂いは、好き。
なんだか心が座ったように落ち着くから。
…君を思い出さないからかも知れないけれど。
君はやけに晴れが似合う人だったから。
君が好きだったから、その分辛くて。
雨の匂いは、嫌い。
君に程遠い自分のようで。
屋根で遮られた雲。
雲で遮られた青空。
僕の心には雨。
優しい雨音は、止むことを知らず。

5/24/2025, 11:57:15 AM



君の歌。
君は歌なんて歌わないような人間だと
勝手に思っていたけれど。
コートに向き合う姿からは想像もつかないほど
透明で、優美で、繊細な音色。
その姿に見惚れてしまう。
ああ、君は僕じゃない人の前でも
そうしてしまうのだろうか。
僕だけの歌姫でいてほしいと思うのは我儘だろうか。
僕と君では不釣り合いだけれど、高望みしてしまう。
君じゃなきゃだめ。
ここまで堕ちてきてよ、僕だけの歌姫。

5/21/2025, 10:13:30 AM

sunrise

sunrise。
それは日の出。
僕にとって世界で1番皮肉な言葉。
君がおはようを言うことのない世界で、
僕の日の出はいつくると言うのだろう?

sunrise。
それでも、またいつか。
君にとって世界が幸せに満ちたなら。
君はきっとおはようと笑ってくれる。
無機質な病室から、日の満ちる世界に飛び出して。
その日が来たなら、僕の日の出は。

5/4/2025, 10:27:39 AM

すれ違う瞳

かつての親友、今の他人。
…私たちの関係を一言で表せば、
それが1番しっくり来るようだ。
君は覚えているのかな、
それとも忘れてしまったのかな。
朝日の中の神社も、青空の下のグラウンドも、
夕日が差す公園も、星が瞬く屋根の上も。
全部君との思い出。
全部全部、私の中には君との思い出が。

すれ違う交差点で。
君は私を素通りしてしまった。
気づかなかっただけか、忘れてしまったのか。
それは定かじゃない。
…でも、どこにいても君だと分かっていたあの頃。
君が僕を見つけて微笑んでくれた、
あの頃には戻れない。それだけが確かだ。
今日もまた、灰色の空。
瞳がすれ違う。だけ。

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