七色
僕がまだ幼い頃のこと。
不思議な子と出会ったんだ。
顔はよく思い出せない。声も思い出せない。
でも、一つ覚えてるのは、一緒に虹を見たこと。
その子の髪と瞳も虹と同じように輝いていて、
つい見惚れたのを覚えてる。
青い空に、七色の虹。
『きれいだね。』
そう言って隣を見ると、
君は影も形もなく居なくなってた。
大人になって今でも、
あの日、あの瞬間を忘れられない。
僕はいつまでも待ってるよ。
君が残した七色の羽を持って、虹の空の下で。
もう二度と
嬉しい、楽しい、ときめく。
いつでも君を考える。
桜舞う春の日、君と結ばれてから毎日が楽しい
こんな日がいつまでも続けばいいのに。
辛い、苦しい、切ない。
もう一度でいいから会いたい。
雪が降る冬の日、君がいなくなってから毎日が苦しい
こんなの耐えられない。
こんな思いをするなら…
恋なんて、もう二度と
曇り
今日の天気も曇り。
このところ、ずっと曇りだ。
日が覗くこともなく、
雨が語りかけることもない。
曇りでも、君がいればそれでいいや。
どんよりした灰色の下、僕と君は馬鹿話で笑い合う。
今日の僕も曇り。
君がいなくなってから、ずっと曇りだ。
君がどこにいるかもわからず、
悪い知らせを聞くこともない。
曇りでも、君がいれば僕は晴れたのに。
馬鹿にするような晴れの日。
わざとらしく輝く太陽。
眩しくて全てが白く見えた。
明日も、明後日も。
僕は今日も曇り空。
bye bye
もう、きっと二度と見れない君の背中。
さよなら、は気恥ずかしくて。
昔から、ずっと追い続けていた君の背中。
またね、は無責任だと感じて。
今、霞になって消えようとする君の背中。
嘘みたいな笑顔を浮かべて。
bye bye.
またいつか。
そんな想い、届いただろうか。
でもこの淡い思いもいつかの日まで。
bye bye.
君とみた景色
君とみた景色。
そんなの、挙げていけばきりがない。
2人で見た日の出。丘から見た夕日。
手を伸ばした満天の星。
本当に、きりがない。
…でも、それは全部『友だち』として。
『親友』としてみた景色。
僕は君と、『恋人』としてその景色を見たかった。
でも、叶わなかった。
君の僕への感情は、
僕の君への感情と。
違っていた。違っていたんだ。
でも、もう戻れない。
もう、あの頃のように君と見れない。
だから、思い出す。君と見た景色を。