マオ

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3/18/2025, 10:05:18 AM

大好き

大好き。
僕が心の底からそう言えるのは、きっと君だけ。
深海を漂っているような僕を、
君だけが繋ぎ止めていてくれた。
君を見つけた時、
初めてこの藍のなかに愛が生まれた気がした。

ああ、でも。
もう、終わりだ。
僕が死んだら、
君は悲しむかな?
悲しまないのも嫌だけど、
君が悲しむのはもっと嫌だな。
君は笑顔が似合うから。
だから、さいごに
この手紙だけ残していくよ。
中身は、君以外の誰にも見せないでね。
だって、気恥ずかしいじゃないか。
『君へ。』

薄れゆく意識の中、最後に思い出すのは。

3/17/2025, 10:19:52 AM

叶わぬ夢

叶わないと分かりきっている夢なら、
初めから持たない方が良かった?
それでも、夢見続けることをやめることはできない。

いつもの白い駅のホーム。
空いた教室の隣の席。
ふと視線を感じて振り向く背後。
そのどこにも、君はいない。

でも。
夢を、諦められない。
諦められないから、夢なのだ。
だから、君の背中を探すことをやめない。
君の影を追うことをやめない。
涙が頬を伝う僕の足元には深く影が落ちていた。

3/16/2025, 11:16:24 AM

花の香りと共に

初めて出会った君。
桜の木の下、
幼さの残る顔ではにかんでいた。
桜の香りに包まれた君を見た瞬間、
時が止まったように感じたことを
つい最近のように覚えている。

君とお別れの時。
安らかな顔で微笑んでいた。
胡蝶蘭に包まれた君を観た瞬間、
君の死という偶像が唐突に形を帯びた。
それからのことはあまり覚えていない。


あの日の君は、
あの日のまま、
桜の花の香りと共にいつまでも。

3/15/2025, 10:57:53 AM

心のざわめき

心がざわめく。
嫌な予感が、胸騒ぎが、する。
誰かの悲鳴。何かのサイレン。
何のサイレンかなんてわかりきっている。
でも、受け入れることなどできなかった。
振り向く。
血が。血塗れの、君が。
君の赤が灰色のアスファルトに解ける。
なんで。なんで私を庇った?
私は君さえいればよかったのに?
ふざけんな。

私は君を許さない。
私を1人にした君を。
最期の時、笑っていた君を。
そんな顔されたら、怒れない。
そんな顔されたら、消えれない。
こんな世界なら…
何度思っただろう。
でも私は君のいない今日を生きる。
いつか君に笑顔で迎えてもらうために。

3/14/2025, 11:05:53 AM

君を探して

ねぇ、君は今どこにいるの?
いるはずもない、いつも通りの白いホーム。
人混みの中に君の影を探す。
真白いホームが、なぜだか灰色に見えた。
君はここにはいない。
けれど僕は惰性的に毎日を過ごす。
君がいなくても、時は僕を置いていってくれない。
当たり前にご飯食べて、当たり前に仕事する。
それだけのことが、君がいないだけでこんなにも。

帰り道。
ふと空を見上げると星の光が降り注いでいた。
新月で、星がよく見える夜だった。
君も、この空を見上げているのかな。
同じ空の下、僕らは…。

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