花の香りと共に初めて出会った君。桜の木の下、幼さの残る顔ではにかんでいた。桜の香りに包まれた君を見た瞬間、時が止まったように感じたことをつい最近のように覚えている。君とお別れの時。安らかな顔で微笑んでいた。胡蝶蘭に包まれた君を観た瞬間、君の死という偶像が唐突に形を帯びた。それからのことはあまり覚えていない。あの日の君は、あの日のまま、桜の花の香りと共にいつまでも。
3/16/2025, 11:16:24 AM