夜のドライブ。
父の運転する助手席で窓を開けて星を追いかけていると、月が追いかけてきた。
星は目を凝らす程にどこまでも遠くまで煌めいて、月はどんなに走っても距離が取れない。
大きく見える山はすぐに近付いてくるのに、夜空はどうにも不思議だった。
成長した私は、星の数、月との距離、それらの大きさ……色々なことを学んで知ったけれども、未だに夜の空は不可解で神秘的だ。
今宵も空を見上げてその不思議に浸ろう。
星を追いかけて、月に追われるのだ。
今を生きる。
ただそれだけのことが難しくなってきた気温37度猛暑熱風の本日、皆様いかがお過ごしですか。
私はエアコンの力に頼ってかろうじて生きてます。
飛べ、あの夏の空へ。
青い空に身を投じて、空を駆け抜けろ。
ぐんぐんと育つ白い雲が見えたならば、それを後ろから押すんだ。そう、太陽の日差しの前へ。
……よし日陰になった。
いいぞその調子だ。
あとは湿度だ。
どこかから乾いた風を連れてこい。
この間束の間の涼しさをもたらしたやませでもいい。
日本の夏を取り戻すために、飛べ。飛んでくれ(切実)。
The day after tomorrow will be a special day.
Yes, the election will be held.
Let's all vote.
揺れる木陰
青い空がぐんと濃度を増す。
もうもうと湧き上がる入道雲の下、
揺れる木陰で君の声を聞いた。
全力で叫ぶ君を見つめる僕は汗だくで、大声と暑さにうんざりしたけれど。
あの時、僕は確かに夏の訪れの真ん中にいたんだ。
今年も夏が来たらしい。
随分と急ぎ過ぎた夏の青空はどこか心許ない。
僕はやっぱり汗だくになりながら、
揺れる木陰で君の声を探した。
だけども君がいない。
どこにもいない。
懸命に声を張り上げる君の姿が見えないんだ。
僕が今立つ場所は果たして本当に夏なんだろうか?
きっと君がいないと夏は訪れないんだ。
なあ、セミ。
君の声が足りない。