Namimamo

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2/17/2025, 11:32:07 AM

暗い。それなりに街灯がある住宅街と言えども、夜は暗い。

だから、夜の運転は怖い。
この辺りは入り組んだ路地が多く、ちゃんとした歩道と呼べるものも少ないのだ。

そして夜に出歩く人の多くは、何故か黒い服を着ている。
黒いダウンでウォーキングをする夫婦、塾帰りの学ランの男子学生、黒いジャージで犬の散歩をするおじいさん。
何故、何故なのだ。何故黒い服を着るのだ。
危ないじゃあないか。
彼らは暗闇に紛れ、曲がり角から、道の影から突然視界の中に現れる。
たとえ懐中電灯を持っていても、その小さな光の主張は弱く、遠くから気付くにはあまりに頼りなかった。

夜の運転は怖い。


そんなある日、いつものようにそろりそろりとアクセルを踏む私の目に見慣れないものが飛び込んできた。

黄色……いや黄緑色?
チカチカ、ピカピカ、クルクルと鮮やかな色を変えてゆくその輝き。
地面に近い場所で忙しなく動く光る物体は何者か?

少しずつ近付いて、ようやくわかった。

「犬が……光ってる……!!」

散歩中の犬が、いや犬の首輪が、パチンコのネオンのようにまばゆく光っていた。

その光は明るく眩しく、犬の首周りだけでなくリードやその飼い主の存在もきちんと照らし出してくれている。

なんという可愛さ。
なんという安全性。
なんというセンセーション。

運転手にとってこれほどありがたいものはない。
その後、光る首輪は市民権を得てどんどんと広まっていったが、私はこの時の感動をいつまでも忘れないと思う。

犬を光らせてくれる全ての人、ありがとう。
その輝きが沢山のものを救います。何より可愛いです。

2/16/2025, 10:49:25 AM

この瞬間
時間よ止まれと
ただ願う
明日の締め切り
白い下書き


しくじった
時間よ止まれの
魔法陣
うっかり時間が
倍速になり


駄目だった
時間よ止まれの
願い事
そのおかげで今
貴方といられる


嘘でしょう
時間よ止まれが
叶ったの
ジェットコースターの
一番真上で

2/15/2025, 11:02:52 AM

昔ツイッターに載せた文章をお題に合わせて少し変えての投稿です。いにしえのティーンズハート文体、お気に入り!

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君の声がする……あたしを呼ぶ声が……

何故?どうしてそんなにあたしを呼ぶの?

ああ、でもごめんね、あたし今すごく眠いんだぁ。だからもう一眠りしてからにし…て……

「……マ!ねぇ!ママってば!!!」

「んもぅ!なにようるさいなぁ!」

──んん???

自分の声に驚いて目が覚めた。
あれ?あたし、寝てた──?

目の前には不思議そうな顔をした長女がいる。
ええと、今は何時?スマホスマホ……あった。見慣れた液晶画面には17時と表示されている。
そうか、あたし、仕事から帰ってきて疲れて寝ちゃったんだ。

あたし、これでも三人の子持ちママ。大学時代に好きになった人と晴れて結ばれてゴールイン。めでたしめでたし──とは行かないのが人生なんだなぁ。その先にあったのは妊娠出産、育児に家事に仕事に、イマドキの女性は大忙しなのだ。
床で寝ちゃう日だってある……よね?
でも起き抜けに叫んじゃったのはマズかった。一応人の親なんだもの。失敗失敗☆

気を取り直してあたしは「ママ」の顔を作り直して長女に向き合った。

「ごめんね長女、ママ寝ぼけてたみたい。どうしたの?」
「ねえママ、なんか熱い気がする」

──ドキリ☆

心臓が跳ね上がる。
まさか、ね。ついこの間まで次女がインフルエンザだったけど、頑張って家庭内感染防げたねって喜んでたところだもの。
それにこの子、長女は生まれこそ小さかったものの今やすっかり丈夫になって、いわゆる健康優良児ってヤツ?

「そう?顔色はいつも通りだけど。でも一応計ってみようか」

あたしは冷静さを装いながら長女に体温計を差し出した。

まさか長女が39度も熱があるだなんて、その時のあたしは想像もしてなかったんだ────


2/14/2025, 11:47:09 AM

二日前までノロウイルスによる胃腸炎で吐きまくってた私による心からの言葉なんですけど、

食べても吐かない胃腸よ、ありがとう!!!

2/13/2025, 10:07:51 AM

あの子にそっと伝えたい

そのカーディガン、裏表ですよって


君にそっと伝えたい

襟にご飯粒、付いてますよって


彼にそっと伝えたい

ズボンのファスナー、開いてますよって


私にそっと伝えてほしかった

背中に貼ったカイロ、服から透けてますよって

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