昔ツイッターに載せた文章をお題に合わせて少し変えての投稿です。いにしえのティーンズハート文体、お気に入り!
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君の声がする……あたしを呼ぶ声が……
何故?どうしてそんなにあたしを呼ぶの?
ああ、でもごめんね、あたし今すごく眠いんだぁ。だからもう一眠りしてからにし…て……
「……マ!ねぇ!ママってば!!!」
「んもぅ!なにようるさいなぁ!」
──んん???
自分の声に驚いて目が覚めた。
あれ?あたし、寝てた──?
目の前には不思議そうな顔をした長女がいる。
ええと、今は何時?スマホスマホ……あった。見慣れた液晶画面には17時と表示されている。
そうか、あたし、仕事から帰ってきて疲れて寝ちゃったんだ。
あたし、これでも三人の子持ちママ。大学時代に好きになった人と晴れて結ばれてゴールイン。めでたしめでたし──とは行かないのが人生なんだなぁ。その先にあったのは妊娠出産、育児に家事に仕事に、イマドキの女性は大忙しなのだ。
床で寝ちゃう日だってある……よね?
でも起き抜けに叫んじゃったのはマズかった。一応人の親なんだもの。失敗失敗☆
気を取り直してあたしは「ママ」の顔を作り直して長女に向き合った。
「ごめんね長女、ママ寝ぼけてたみたい。どうしたの?」
「ねえママ、なんか熱い気がする」
──ドキリ☆
心臓が跳ね上がる。
まさか、ね。ついこの間まで次女がインフルエンザだったけど、頑張って家庭内感染防げたねって喜んでたところだもの。
それにこの子、長女は生まれこそ小さかったものの今やすっかり丈夫になって、いわゆる健康優良児ってヤツ?
「そう?顔色はいつも通りだけど。でも一応計ってみようか」
あたしは冷静さを装いながら長女に体温計を差し出した。
まさか長女が39度も熱があるだなんて、その時のあたしは想像もしてなかったんだ────
2/15/2025, 11:02:52 AM