蜜鶴

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4/18/2024, 11:09:56 AM

無色の世界

全てが壊れた
たった一夜の数瞬、一回瞬きをしただけで
気づけば辺りは赤黒い異臭と
少し明るく見えた燃える匂い

今や時代も変わった
映画だけであって欲しかったあの風景が
''戦争 を 失くすため'' なんて名前だけ借りて
他所の紛争には目もくれない

数年前、流行ったモノクロカメラ
それで写した乾いた涙腺
日の当たんない路地裏に積み上げた〇体と
瓜二つ

4/17/2024, 3:45:00 PM

桜散る

後追いするように咲く枝垂れ桜
白い雪解け水が染み込んで
濃いピンク色も実を透かす

とうに散った街中の桜並木も
今では惜しまれながら
真新しい靴跡を残している

咲いてしまえば一瞬で
敷いたシートにも既に花弁が落ちる
来春もきっと良い香おで

4/13/2024, 3:50:44 PM

快晴

モザイクがかった風景に
熱い体感温度が触れる
嫌なほど清々しい青色が
空を仰ぐ横顔に差す
蓋を放り投げた河川敷
弾けた勢いで雫も辺りを汚す

綿菓子好いたあの童子も
薄く滲んだ虹色の眼
トンボを通り見れば
思い出した平坦なおとぎ話
今では塗りつぶされた
繰り返される喜劇の童話

3/24/2024, 12:54:40 PM

ところにより晴れ

閉め切った二重窓は分厚く
重い色に堕ちたカーテンで隙間なく光を遮る
日光を嫌うように
時計も置かぬ部屋の壁紙に広がるのは
いつか描いた色褪せた夢

カーテンを一枚脇に開けば
差し込む光はとうに弱々しい
なぜ、威厳を保っていられるのか分からないほど霞む
朝方交わる人すらも空を見上げないのに
次期の晴れ間が見えたら
覚えた笑顔の芽をこんなにも愛おしく育ててくれる

3/11/2024, 1:51:27 PM

平穏な日常

何かに高値な
それでいて意地悪しい価値をつける。

『もうすぐ春が来る』
そう笑顔で駆け出して
まだ冬空のもと
肌触れる想風はとても冷たい
出会って何年、あの日見た笑顔とは変わらない
あぁ、これは僕が惚れた笑顔だって
今でも惚れ直すだろう笑顔を愛す

愛の形をもつ紅色を
沢山集めて いつか枯葉で散りゆくまで
僕のフォルムは全て君で
散った後の風景は
ずっとその地に溶けていく

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