蜜鶴

Open App
4/13/2024, 3:50:44 PM

快晴

モザイクがかった風景に
熱い体感温度が触れる
嫌なほど清々しい青色が
空を仰ぐ横顔に差す
蓋を放り投げた河川敷
弾けた勢いで雫も辺りを汚す

綿菓子好いたあの童子も
薄く滲んだ虹色の眼
トンボを通り見れば
思い出した平坦なおとぎ話
今では塗りつぶされた
繰り返される喜劇の童話

3/24/2024, 12:54:40 PM

ところにより晴れ

閉め切った二重窓は分厚く
重い色に堕ちたカーテンで隙間なく光を遮る
日光を嫌うように
時計も置かぬ部屋の壁紙に広がるのは
いつか描いた色褪せた夢

カーテンを一枚脇に開けば
差し込む光はとうに弱々しい
なぜ、威厳を保っていられるのか分からないほど霞む
朝方交わる人すらも空を見上げないのに
次期の晴れ間が見えたら
覚えた笑顔の芽をこんなにも愛おしく育ててくれる

3/11/2024, 1:51:27 PM

平穏な日常

何かに高値な
それでいて意地悪しい価値をつける。

『もうすぐ春が来る』
そう笑顔で駆け出して
まだ冬空のもと
肌触れる想風はとても冷たい
出会って何年、あの日見た笑顔とは変わらない
あぁ、これは僕が惚れた笑顔だって
今でも惚れ直すだろう笑顔を愛す

愛の形をもつ紅色を
沢山集めて いつか枯葉で散りゆくまで
僕のフォルムは全て君で
散った後の風景は
ずっとその地に溶けていく

8/12/2023, 2:06:37 PM

君の奏でる音楽

何も名を与えられず
誰もがいつも通りの夜を迎える
邪魔ひとつない月明かりが照らし出した海辺
儚く消え失せそうな少女の姿があった

誰に何を伝えたい唄なのか
誰かに何かを訴えたい嘆きなのか
どちらにせよ
口は微笑み、頬には涙の乾いた跡が
瞳は曇りを隠すための美しい風景が水に浮かんでいた

彼女の音楽が
彼女の心を表現してくれますように
彼女の想うあの人を救ってくれますように

4/15/2023, 4:17:59 PM

届かぬ想い

蝉声響く林の傍
地面へ強く打ちつく光の影
石に1点ずつ刻まれた祖先、友人の名前
上から水をかけ、汚れを落とす

全ての愛すべき軌跡
1人1人が死という運命に従った英雄
小さな子や、真夜中のその場所
近づく人はほぼ居ないが
人になって気づくだろう

ただ1つ、この未来に溢れる全ての想いを
それが繋がる大切な場所と

Next