明太子

Open App
9/29/2025, 4:33:20 PM

人間は夢がないとかなんとかいって
自分の色を見落とし
世界が暗く見える時があるらしい
人生は塗り絵みたいなもので、
その章が終わっただけだと思う
次のページをめくったら、
ただ白くて黒かっただけだと思う
鮮やかな蛍光色はここでおしまい
次は色鉛筆かな。
水彩かな。
ペン画かもしれない。
また染め上げればいい
人から色をもらえばいい
少しずつ本から会話から趣味から
暗く見えるのは平常仕様だよ
新しい絵が出来上がるなら
モノクロもなんだか悪くないね。


モノクロ

9/28/2025, 3:32:11 PM

それでもあの夏の匂いは
胸の奥をくすぶっている。
蝉の声
湿ったアスファルト
蚊取り線香の残り香
大人を横目に
終わらない暑さに身を覆われて
小さな体は畳に転がる

戻らない時間と消えない記憶
いつかは忘れてしまうのだろうか
巡り巡る季節の裏で
未だ少しだけ思い出す


永遠なんて、ないけれど

9/26/2025, 1:48:10 PM

布団の温もりを惜しんで朝を迎えると
窓の外に小鳥がとまっていた
サンドウィッチをトーストして
コロンビア豆のコーヒーを淹れて
少しの時間眺めていたら
余裕という名の贅沢など跡形もなく消えてしまった。
何時に起きても
支度をすれば同じ時刻
無情にも進む時計の針を尊敬するよ。
コーヒーは後味にとっておくべきだったと
少し悔やみながら日付に印を入れる
静謐で優雅な朝を夢見る日々は
いつも少しだけ忙しない


コーヒーが冷めないうちに

9/22/2025, 2:00:21 PM

二人掛けのベンチ
一面黃葉したイチョウに
老夫婦は霞んだ空を眺める
はだけてますよ
指先の向こうで整うマフラー
秋色に一際目立つ緋色に
紡がれる温度と
輪郭の歪んだ雲の冷たさが
肌寒さを象徴した


cloudy

9/20/2025, 4:06:29 PM

気にしたことがなかった
こんなにも胸が高鳴ってしまうのかと
声にならない声を呑み込んで
画面をつけては消す
若干おろかである気がして我に返るが
反して静寂すぎる部屋から視線を感じるまでに
高揚していることを隠せない
現を抜かすほどの
相手を待つ一日千秋な時間を過ごす上では
理性は感情に勝てないものである


既読にならないメッセージ

Next