外向モード
内向モード
素でもないし楽でもないし
ただ偽ってるだけだけど
どっちも自分だから、
というかどっちも自分になっちゃったから、
スイッチ押して切り替えて生きてるつもりだけど
とんだバショで内向的思考が役に立ち
とんだモノが外向的意欲を掻き立てる
そんな瞬間に遭遇するせいで、
ギャップとか、理想とか、
言葉の綾で自分を設定する時間は要らないのかも。と
焦って隠す必要はないのかも。と脳みそが言っています
なんとなく境界を曖昧にして生きてみても
いいのかもしれません。
心の境界線
窓から見える紳士が
そっと胸を締め付ける。
彼が来ると聞いて心が高鳴ったこと、
心の彼への想いの大きさに驚いた。
叔母様には内緒にしたいけれど
そわそわする自分を上手く隠せない。
小麦の香りの焼き菓子
澄んだ色の紅茶
彼も同じ気持ちであってほしいなんて望みながら
庭園で摘んだ花を飾る
何度も整えた髪をもう一度確認すれば
扉がコンコンと音を出す
おもてなし
君は光なのか霧なのか
声は届くのに返る声はない
手はそこにあるのに触れられない
存在するはずの天使が
記憶にしか形が残らないのは
夢を見させたいからなのか
はたまた希望を覗かせているのか
絵画に潜む神の使い
未だ人を誘うもの
光なのか霧なのか
揺らぐ羽を眺めてみても
やはり何も分からない
光と霧の狭間で
伝票に書かれた祖母の字
一人暮らしには余るほどに
段ボールに敷き詰められた梨
今年も一番好きな季節がやってきた。
祖母というのは一度聞いた好物は一生モノで
まるで永遠かのように
何度も何度も買うそうで、
電話越しにだめになっちゃうからと伝えても
変わらない相槌が耳を埋める。
梨に溺れる日々が始まる予感。
お皿いっぱいに切った梨。
白く透き通る果実に
祖母の手を思い出すほどには
昔から食べているみたい。
昔が恋しいわけではないけれど、
思い出が切ないわけではないけれど、
始めて好きだと話したあの日が
昨日かのような祖母の言葉が、
いつしかなくなるこの温度が、
今日はいつもより感じて涙が溜まる
梨
博士はロボットを作っているらしい
感情をいれたロボットを作りたいのだと。
悲しみは喪失×記憶の強度だとかなんだとか
プログラムを何時間続けているのだろうか。
人間自ら必要とされない世界を作り出す意味が
僕には分からない
神話、宗教、文明、科学
人間らしいものを遭遇させたら
先祖の存在はどこへ消えるのだろうか
交わってはいけない
新たな未知は解明される前に他の全てが崩壊する
交わらないべきである
学問に収まる話ではない
それなのに、
世界が存在してはいけないモノに変わる瞬間が
もうそこまで来ている
未知の交差点