優しいだけで救われるなら
私はきっと ずっと前から救われてる。
人生に絶望したりしなかった。
優しいだけじゃだめなんだよ。
中途半端にしないでよ。
期待させないで。
その場しのぎで優しくするくらいなら
それならいっそ優しくしなくてよかった。
そんなものが優しさだと言うなら
優しさだけで、きっと
人は殺せるよ
♯優しさだけで、きっと
たとえ間違いだったとしても
間違いを間違いだとは認められない。
認めてしまったら
自分の全てが間違っていたことになってしまうから。
♯たとえ間違いだったとしても
彼とケンカした。
理由なんて小さなことだった。
こんなことで
彼との時間を無駄にしたくないのに
私は意地っ張りで素直じゃないから
口をつぐんだまま
下を向いている。
本当は謝りたい。
でも私の言い分も聞いてほしい。
私の考えを言ったら
余計にケンカが悪化するんじゃないか
呆れられるんじゃないか
いろんな考えがごちゃまぜになって
言葉が出てこない。
自分の気持ちを話すのは得意じゃない。
話そうとすると
声と一緒に涙も出てきてしまう。
“泣いちゃだめ”
喉がつっかえて
うまく話せないから。
でも結局泣いてしまう。
彼とケンカするといつもこうだ。
泣かずに話したいのに
最後はボロ泣き。
その後はなぜか彼も泣きながら
2人で仲直り。
いつか泣かずに
気持ちを伝えられるようになれるのかな。
#泣かないで
寒い冬の空
周りの電気は次々に消えていき
彼女は1人
夜の暗闇の中で息を潜める。
手足はかじかむけれど
心臓は熱くドクドクと脈打っている。
“早く会いたいな”
同棲中の彼を
寒さに耐えながら彼女は待っていた。
こんなところに
2時間以上待たせて
いつも平気な顔でやってくる彼を
彼女は疑いもなく愛していた。
いつからあんな男に熱を上げていたのか
彼女の心は朦朧としていた。
冷たい態度に怯え
小さな優しさに縋る。
上がりきるでも
下がりきるでもない
生殺しのような微熱の中で
彼女はいつ平常に戻れるのだろうか―――
#微熱
左隣で眠る愛しい人
その腕をそっと抱きしめて
今日も眠りに落ちていく。
明日あなたの声で
目覚めるまでは
幸せな夢の中に。
#落ちていく