りん

Open App
11/30/2024, 12:44:57 PM

彼とケンカした。

理由なんて小さなことだった。

こんなことで
彼との時間を無駄にしたくないのに
私は意地っ張りで素直じゃないから

口をつぐんだまま
下を向いている。


本当は謝りたい。
でも私の言い分も聞いてほしい。

私の考えを言ったら
余計にケンカが悪化するんじゃないか
呆れられるんじゃないか

いろんな考えがごちゃまぜになって
言葉が出てこない。


自分の気持ちを話すのは得意じゃない。

話そうとすると
声と一緒に涙も出てきてしまう。

“泣いちゃだめ”

喉がつっかえて
うまく話せないから。

でも結局泣いてしまう。

彼とケンカするといつもこうだ。

泣かずに話したいのに
最後はボロ泣き。

その後はなぜか彼も泣きながら
2人で仲直り。

いつか泣かずに
気持ちを伝えられるようになれるのかな。



#泣かないで

11/26/2024, 10:57:43 AM

寒い冬の空

周りの電気は次々に消えていき

彼女は1人
夜の暗闇の中で息を潜める。

手足はかじかむけれど
心臓は熱くドクドクと脈打っている。

“早く会いたいな”

同棲中の彼を
寒さに耐えながら彼女は待っていた。

こんなところに
2時間以上待たせて
いつも平気な顔でやってくる彼を

彼女は疑いもなく愛していた。

いつからあんな男に熱を上げていたのか
彼女の心は朦朧としていた。

冷たい態度に怯え
小さな優しさに縋る。

上がりきるでも
下がりきるでもない

生殺しのような微熱の中で

彼女はいつ平常に戻れるのだろうか―――



#微熱

11/23/2024, 2:55:41 PM

左隣で眠る愛しい人

その腕をそっと抱きしめて

今日も眠りに落ちていく。

明日あなたの声で
目覚めるまでは

幸せな夢の中に。



#落ちていく

11/22/2024, 12:36:03 PM

夫婦って
いつかは別れるものだと思ってた。

でも旦那さんに出会って
その考えは塗替えられた。


お互いに支え合いながら
一緒に笑いあって

お互いしわくちゃになっても
手を握ってお散歩もして

一緒にお茶を飲んで
美味しいねってほっこりして


そんな
平凡で小さな幸せがある毎日を
一緒に積み重ねていきたいと
旦那さんは言ってくれた。

それは私にとっての理想で
諦めていた未来だった。

でも

同じ未来を夢見てくれるこの人となら
諦めていた未来も
きっと現実になると思った。

この人とだから
私は夫婦になりたいと思えた。



#夫婦

11/20/2024, 8:13:20 AM

初めて手作りしたジェルキャンドル

底には海をイメージした白い砂を敷き詰めて
淡いピンクや白い小さな貝殻を散りばめる。

最後に金色の錨を沈めて
アクアブルーから徐々に透明になるように液体を注ぐ。

いくつかの気泡を閉じ込めて
固まったジェルキャンドルは

静かな海底を切り取ったように
綺麗だった。


あのジェルキャンドルは
当時の恋人にあげたけど

彼はそれを
どこかになくしてしまったらしい。


簡単に手放されて

火を灯すことも
観賞用としても
役目を果たせなかったあの子が
まるで自分のようだと当時は思った。


そんな苦い思い出のあるキャンドル。

今ではもう
なんの思い入れもない。

彼に対する想いは
もう燃え尽きて
灰になって消えたあとだから。



#キャンドル

Next