りん

Open App
11/17/2024, 12:01:56 PM

夏は暑い。


私の旦那様は暑がりだから

ずっとくっついていたくても
夏だけは暑いからと
逃げられてしまう。

でも
だんだん寒くなれば

ずっとくっついていても怒られない。

白い息を吐きながら
年中温かい、カイロみたいな手のひらに
右手を包んでもらえる。


たとえ寒くなくても
“寒い”って言いながら
べったりくっつける絶好のチャンス。

寒い冬は嫌いだったけど
今は冬もけっこう好き。

だから早く
寒くなってくれないかな。


#冬になったら

11/15/2024, 1:05:50 PM

片手に乗るぐらいの
小さくて温かくて、柔らかい生き物

黒目がちな目は
私の服のヒモに集中していて
何を見てるのかな、なんて見ていた

次の瞬間

ヒモ目がけて
短い手を目一杯広げて飛びかかってきた。

でもそれは最初の勢いだけで
大した飛距離もなく
地面に前足をぺたんとついて終わった。

パヤパヤした産毛に
このふわふわした動き

目の前にいる子猫の存在全てに
私達のハートは射抜かれた。


あの日から
この子は私達の家族になった。

子供のいない、私達夫婦にとって
この子は本当に
我が子同然だった。

あれから4年経った今では
子猫時代の10倍の大きさになって
家の中を我が物顔で歩いている。

お腹丸出しで寝ている姿は
まぁまぁ貫禄が出ている。

人で言えば、もう私と同い年くらいの年齢。

私が4つ年を取る間に
この子はもう
私と同じぐらいのニャン生を過ごしている。

子猫の時は
成長していく姿が微笑ましかったけれど
今はもっと
ゆっくり年を取ってほしいと願う。




#子猫

11/12/2024, 2:34:17 AM

ずっと
空を見上げるしかなかった。

誰かが飛んでいくのを
見送るしかできない。

みんな私をおいて行ってしまう。

でも
羨ましいと思ったことはない。

だって私の翼は
飛べないけれど
みんなに綺麗だって言ってもらえるから。

翼を広げて踊ると
みんな私の周りに集まってきてくれる。

だからさみしくないの。

飛べないことを
バカにされることもあるけど
私が翼を広げると
逆に羨ましそうな目で見てくる。

だから
私は飛べなくても
今の私に満足してる。

私の翼は唯一無二

“飛べない翼も珍しいでしょ”

って
みんなに自慢しているの。

私は
誰にもないものを持っている。

それを悲観したりしない。

みんなと違うことは悪いことじゃない。

せっかく特別なものを持っているなら
悲観するのはもったいないもの。



#飛べない翼

11/6/2024, 4:24:23 PM

細かい雨粒が
柔らかく私の周りに纏わりついてくる。

小さな雨粒たちは
じわじわと私の体を湿らせるだけで
この涙を隠してはくれない。

柔らかく、でも確実に私の体温を奪っていく。


優しいふりをして
私から希望を奪う

まるであの男みたいだ。



#柔らかい雨

11/3/2024, 4:33:20 PM

10年ぐらい前は
死ぬほど暗い顔をしてたのに

今はつやつやいい顔をしている、鏡の中の私。

たまに疲れた顔はしてるけど

なんだかんだで悩みのなさそうな
のほほんとした顔。

この顔を
彼は世界一可愛いと思っているらしい。

実に変わった趣向だと思う。

でもそう言われ続けた影響か

『ほんとにまんざらでもない顔なのかも…』

と最近は思い始めているんだから
言葉の力はすごいと思う。

このまま年を取り続けて
しわくちゃのおばあちゃんになっても

幸せそうな顔を
鏡の中に見つけられたら

私の人生は
すごくいいものになってるんだろう。

『その時は
同じように幸せそうな顔した彼も
隣にいてもらわなきゃなぁ』

なんて考えている私の顔は
鏡の中で
もうすでに幸せそうに笑ってた。



#鏡の中の自分

Next