最近の私のやっていること。
それは、住んでいるマンションのベランダに夜、飲み物を持ってゆっくりだらだら過ごすことだ。
少し都会から離れていて不便な場所だけれども、近くの林から聞こえてくる虫の声などに耳をすませたり、夜中に星空を見ると私が特別な人間な気持ちになれるから。
そして、さらに
「あ、出てきた!」
「キミの分もあるよ、一緒に飲もうね」
そう、このベランダには私にしか視えない
特別な同居人がいるのは 秘密なのだ
「申し訳ございません、私は主に支える身でありますし、貴女様とは釣り合う身分ではございません。どうか他の方をお選びくださいませ」
いつの記憶かわからない。しかし、どうやら自分の口から出た発言のようだ。ある方と縁談の話が来たらしいが、年下ということもあり幼子に見え、そして高貴な身分だったので断ったらしい。
でも、その方は、彼女は貴女が!どうしても貴女が!とずっと言ってそして
「私のものに、どうしてもなってくれないのね?くださらないのね?貴女は
なら…!」
と、身包みを剥がされた上に拘束されそして
眼の前には龍がいた
私は 湖に 浅瀬だけど
溺れた その人(龍) に
捕まって
遠い日の 記憶
またかと思った。
たった一つのミス、失敗で責められる咎められる自分。
どうしてなんだろう。他の人は30、いや、20でも
すごいと褒められるのに。
私は100を出しても、一つ間違えればお前はダメだと
言われる。120を、それすら駄目なら180すらと
頑張り続けた。でも
「ここが駄目、だからお前は(貴女は あんたは)役に立たないんだ」
と否定され続けた。
心がぐにゃりと曲がり、手のひらから硝子のコップが落ちしてしまったように砕け散った。
奈落の底、地獄の果、灯火がない無限の闇。
今度こそ終わりにしよう。誰も助けないで!
もう引き止めないで!触らないで!
みんな!みんな!大嫌い!
私は一人ぼっちで覚めない夢の中が
一番幸せなんだから!と
孤独が好きなの!束縛されるのも!
みんな嫌!
でも、駄目だったんだ。
呪いが剞まれても、悪夢に誘われても、
貴女が大好きだから。と
愛してくれる人たちが私を引き上げてくれた。
人生という長い旅に絶望しては堕ちる。
しかし、必ずその度に奇跡は起り
運命は変わる。
憎まれっ子世に憚るだと思ったけど違うみたい。
私はまだ、この旅を駆けなければいけない。
脚があるから。
今年で夫と籍を入れて早5年めになる
それまで恋とか結婚とかとはほぼ無縁だった私にとっては、振り返ると幻かな?とも錯覚する思い出と出会いであった。
毎日特になにも代わり映えのしない日々。普通だけ、当たり前のことしかできない自分だが、夫は出逢った瞬間一目惚れしたらしくとにかくアピールされ根負けして付き合い、あぁ、この人ならいいかなと思い結婚したのであった。
それから最高に幸せな日々。生まれてきた意味を知った。これまでで一番幸せな、という記憶を今日も私は最愛の人と重ねるのであった。
この幸せが永遠に続きますように。
喉が乾いた
一面炎で包まれ、真っ暗闇に等しい中歩く私がいた。
ここは地獄か?と。降る雨は優しいものではなく、身体を蝕むような死を感じさせるもの。
この時に、この場所に、私という存在はいないのに。
川を視たが積み重なっていた。そして力尽きたのであろう。水がほしいと思った。一滴でもいいからと。それでも川には近づけず、焼かれるような熱さの中に私はいた。
目が覚めると、夫がとても心配そうにしてすぐに抱きしめてくれた。私は熱いだけ特に悲しみもなかった。しかし、夫はたくさん泣いた。戻ってこないのでは、と。貴女がと。