欲しいものかあ
お金と時間かな
もうね五十も過ぎると
夢も見ないんだよね
人生に迷いがなくなったというか
あとは大切なのは
やはり
健康な体
この国の平和
それと自然
これらは必要最低限だから
たとえば今戦争に巻き込まれている人たち
かわいそうだと思う
たとえば誰かにふられて泣いている人を見ても
私の心は何も感じないと思います
それより些細なことを悲しんでいる人がいたら
そんなことで悩めるなんて羨ましいとしか思わないですね
最初の記憶は昔の実家の近く
河原で父とてんとう虫を見た
広がる緑に青い空が広がった
次の記憶は階段上の
小さな窓から見えた空
飛行機雲が浮かんでた
次の記憶はボロボロと
剥がれた昔の古い壁
地図を作って遊んでた
幼稚園では泣き虫で
遊ぶことさえままならず
プールをひとり歩いてた
ベランダからはいくつかの
鎮守の森や何らかの緑がもこもこ見えていた
母が洗濯物を干し
私はいつもそこにいた
やがて僕を連れ回す
クラスメイトに連れられて
プラネタリウムの道すがら
坂を登った丘の道
時に一人で遠出して
道に迷った細い路地
いつもほっとできたのは
川にかかる赤い橋
夕陽は僕の頬を染め
町が灯りをともすころ
家路を帰る寂しさを
私はいまも覚えてる
ちょうど鴨の群れが飛んでいった
かけがえのないもの
誰かを愛するように自然を愛せたら
自然保護の根本とはそれだけ
決して自分たちのためにすることではない
私が生まれ落ちた時そこには有ったのだろうか
それは雫のようにひとつふたつと溜まった水
気付いたときにはいつも水たまりが有った
繰り返し繰り返し感じていた重さ
誰かがそれを言ったからとか何かを出来なかったからとかそういうたやすい理由じゃない
言葉に出来ないものだから
この一つの単語に頼る
劣等感それはヒトが人として生きていくうえで
当たり前にあるものとして存在しています
なんのためにそれがあるのか
そしてそれは必要なものなのか
私が生まれ落ちた時そこには有ったのだろうか
それは人として生きるためにすでにそこには有ったのだろうか
私の当たり前
なんだろう
たとえばお肉か魚を食べたら野菜は食べること
子供の頃から当たり前だった
物をもらったらお礼を言う事
自然を愛すること
国産の肉や魚や野菜を買うこと
夜に歯を磨くこと
お風呂に入ること
他人に簡単に同調しないこと
相手の傷つくことを言わないことこれは最近気をつけるようになった
人を簡単にはほめないこと
ほめることは簡単で気持ちがいい
でもそれはプレッシャーになるかもしれないし逆に勘違いするかもしれない
そこには責任があると思う
人には人の考えがありそれを簡単には否定できない
つまりポリシーだ
言葉というものは結構重い
最近気づいたことだ
人というものはいつもいつも霧の中を歩いていると思う
全てがはっきり見えることはない
ただ霧の中に見えるものから想像しながら歩いていく
そんな時に当たり前はポリシーになり道を照らしてくれることがあるだろうと思います