はるな「みき、ほんとうに行っちゃうの?マジ悲しい」
みき「うちも悲しい」
はるな「毎日一緒だって約束したのに」
みき「そうだよね。ごめん、うちのお母さんの都合でどうしようもないんだよ」
はるな「わかってる。みきは悪くないよ。でも、みきと離れたくないよ」
みき「うちも、はるなと離れたくないよー」
はるな「離れ離れになってもずっと友だちだよ」
みき「当然でしょ。ズッ友。あ、そろそろ行かないと」
はるな「絶対また会おうね」
みき「うん、絶対!」
さや「みき、たんぽぽバスもう出るよ〜」
ゆめの「はるなもつくしバスに乗るよ〜」
ひだまり幼稚園のみんなでお芋掘りに行きます。
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お題:さよならは言わないで
満月の夜、フクロウの子が巣穴から顔を出しています。
「お母さん、あれは何?」
「あれはお月様よ。夜になると出てくるの」
「まんまるできれいね。私、お月様まで飛んで行きたいわ」と子どもは言います。
お母さんは笑って言います。「次の満月になったら、お外に出ましょうね」
数日後、ふくろうの子はまた巣穴からかな顔を出します。
「お母さん、お月様が半分になっちゃっているわ」
「そうね。お月様は形を変えるのよ」とお母さんは言います。
「私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。「次の満月になったらね」
また数日後、ふくろうの子は巣穴から顔を出します。
「お母さん、今日はお月さま出ないの?」
「もう少ししたら出ると思いますよ」とお母さん。
夜もすっかり更けた頃、細い細いお月様が出てきました。
「私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。「次の満月になったらね」
そのまた数日後、ふくろうの子は巣穴から顔を出します。
ふくろうの子は何度も何度も空を見上げます。いつまで経ってもお月様は出てきません。
「お母さん、お月様がいなくなっちゃったわ」
「そうよ、今晩はお月様はお休みなの。明日になったらまた出てくるわ」
「私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。「次の満月になったらね」
またまた数日後、ふくろうの子は巣穴から顔を出します。
空にはきれいな三日月が出ています。
「お母さん、お月様って不思議ね」と子どものふくろうは言います。
「そうね」とお母さん。
「私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。「次の満月になったらね」
それからまた数日後、ふくろうの子は巣穴から顔を出します。
「お月様、まあるくなったね。私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。
「まだ満月じゃないわ。次の満月になったらね」
それからまた数日が経ちました。ふくろうの子は巣穴から顔を出します。
空にはまんまるのお月様。
「私、もうお外に出ていい?」とふくろうの子はお母さんに聞きます。
お母さんは笑って言います。「ええ、いいですよ」
ふくろうの子はお月様に向かってまっすぐ飛び立ちました。
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お題:光と闇の狭間で
距離は8000㎞。これを60日で移動する。
一日100㎞から200㎞移動することになる。
毎年のことではあるが、命がけであることに変わりない。
群れのリーダーたちが集まって今回の渡りの計画をたてる。
(途中)
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お題:距離
水鳥の群れの大きな羽音に驚きミンミンは目覚めた。周りを見回してもお母さんも群れの仲間もいない。
「そうだ、昨日みんなとはぐれてしまったんだ」
一晩寝て疲れはとれたが、一晩寝ても不安や心細さは全く変わらない。これからどうすればいいかも全くわからない。ただ昨日何も食べていないのでひどく空腹ではあった。幸いこの湖の周りには豊かな草地が広がっている。ミンミンは食べ物を探すことにした。
空腹が満たされると、これからの事を思って心配で押しつぶされそうになる。お母さんとはもう会えないのかしら。群れの仲間はどこに行ったのかしら。不安になる度に大きな声で呼んでみる。他の水鳥たちが驚いたようにミンミンを見る。空を見上げ鳥の群れを見つけると飛び立つ。それが自分の群れでないとわかるとまた湖に戻る。何度も何度も空と湖を行ったり来たりした。
あたりが暗くなるにつれてミンミンの心の中の不安はどんどん大きくなる。
次の日もその次の日も同じように過ごした。もう群れのみんなは別のところへ行ってしまったに違いない。ここで冬を越すことはできるのだろうか。ここで冬を越して春になったら元いた場所に戻ればまたお母さんたちに会えるだろうか。ここまでの旅路を一生懸命に思い出そうとした。どんなに考えてもあの嵐からここまできた道はわからなかった。
この湖に来てから何度空を見上げたことだろう。ミンミンが空を見上げた時、遠くに大きな鳥の群れが見えた。近づいてくる。先端だけ黒い大きな灰色の翼、黄色い嘴に頭にある2本のスジ。インドガンがこの湖に向かってくる。ミンミンは嬉しくてたまらなくなった。みんなが迎えに来てくれたんだ。ミンミンは群れの方へ向かってまっすぐに飛んでいく。
だがどこにも知った顔はいなかった。違う群れだったのだ。
ミンミンは湖へ戻る。またとても悲しくなった。
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お題:泣かないで
「それでは森の仲間から皆さまへの伝言をお伝えいたします」
そう厳かに宣言をしたのは司会のふくろうだ。
「まずは氷の女王様、『昨年は西の湖の氷が薄く、楽しみにしていたスケートができなかった』との意見がございます。」
「そうねぇ、スケートができないのは困るわね。わかったわ。今年はしっかり氷が張るようにしましょう」と氷の女王様。
「続いて冬将軍様、『寒さが足りず冬眠の途中で起きてしまった』との意見が届いております。」
「わっはっは、冬眠から起きてしまったか。今年は頑張って凍える様な寒さにしてやろう」と冬将軍。
「最後に雪の精霊様、この意見が一番多かったのですが『クリスマスに全く雪が降らなかった』とのことです。」
「ホワイトクリスマスですね。たっぷり雪を降らせますよ」と雪の精霊。
さて、今年の冬はどうなるのでしょう。
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お題:冬のはじまり