あなたのことが知りたい
何の料理が好き?辛いものと甘いものは、どっちが好み?好みが同じだったら分けっこして、違ったら試しに交換こしよう。
趣味とかはある?私は本を読むことが好き。あなたはどんな本を読んで、何を思うの?
将来行きたい場所はどこ?どこまでも遠くいろんなところに行きたいね。私が行ったことのあるところはエスコートしてあげる。美味しいものをたくさん食べよう。
あなたはどんなときに笑うの?どんなことを思って、どんなことが悲しくて、何を願っているの?
あなたの話を聞かせて。私はあなたじゃないけれど、私はあなたじゃないから、あなたのことを教えてほしいの。どれだけ知っても知り足りない。そんなあなたが愛おしい。ねえ、あなたのこと、
【もっと知りたい】
あの人へ渡す花束はなるべく大きな花束にして。私の赤くなった顔が見えなくなるくらい。
そう、それがいいの。
花に全部の想いを乗せるから。
【花束】
ネガティブな言葉を書けば指を指されるから、周りの目を気にして私は私の言葉を隠す。
自分の気持ちを素直に書きたいのに、書いて、消して、ぐしゃぐしゃになった言葉たち。今日も模範生としてこの世界に操られながら書いている。私の言葉は綺麗で明るいテンプレートをなぞっている。
でもね、ふと自分の言葉たちを見て感じるの。あれ?私の本当に書きたかったことは何だっけ?
【どこにも書けないこと】
夕暮れ時に見るブランコは私を寂しい気持ちにさせる。
だって、遊んでいた私たちは明るいお家へ帰るのに、あなたはここで1人暗い夜を過ごすのでしょう?
でもね、明日もあなたがいるならね、私はあなたに会いにいくからね。私はお家の楽しいお話をするから、あなたは夜に見た流星群の話をして。
さっきまでブランコに乗っていた私の余韻が残っていて、少し揺れている。そんなあなたに手を振り返して、また明日。
【ブランコ】
言葉が好きだ。素敵な情景を伝えることができるから。
けれどその輝きに見合う言葉が見つからなくてもどかしい。もっとふさわしい呼び名があったような、そもそも言葉では伝えきれないような。言葉を投げ捨てて今すぐにあなたを連れ出して、その景色を見せに行きたい衝動に駆られる。ほら、こんなにキラキラ輝いている、と。でも、あなたは臆病だから世界を見ることを拒むでしょう。
だから私はあなたに言葉を紡ぐ。今出てくる精一杯の言葉たちでこの世界の話をしよう。
遥か彼方まで続いていく水平線だとか、飛行機からミニチュアのように見える知らない街並みだとか。
言葉を紡いであなたと2人、世界のどこまでも旅に出よう。
【あなたに届けたい】