もう二度と間違えないように。
もう二度と悲しませないように。
貴方の涙を見たくないから。
あの日の事故は全て私のせいでした。
私がいなければあんな事は起こりませんでした。
ごめんなさい。
貴方が怒るのも無理はありません。
私のあの日の行動があの時あの子を殺しました。
ごめんなさい。
私は今まで知りませんでした。
気づけませんでした。
一体どれほどの人を私は傷つけてきたのでしょうか。
一体いくつ罪を重ねてきたのでしょうか。
私ができる唯一の謝罪方法は私が死ぬことです。
もうこれ以上被害者が増えないように。
でも、死ぬだけじゃきっと罪を償えないと思います。
それほどのことを私はしてきたのです。
地獄で何億年、いや、何兆年。
もしかしたそれ以上の歳月をかけて罪を償います。
もう二度と何かを傷つけないように。
それでも許してくれないのなら私はきっと神様に頼みましょう。
もう二度と私が地上に生まれないようにと。
もう二度と
読んでくださりありがとうございました。
最近、謝恩会がありました。
周りに喋れる人いなかったけど料理美味しかったです。
彼女の冷たい手をそっと包むと少し遠慮がちに握り返してくる。
その感触が嬉しくて、愛おしくて、何度も彼女の手を握ってしまう。
やりすぎると流石に嫌がられる。
寒い朝。
誰もいない道を二人で歩く。
「手、つながないの?」
突然の問いかけに一瞬戸惑う。
それから、自然に笑みがこぼれた。
「繋ぎたいの?」
否定されると思っていたのに、彼女は小さく首を下げた。
「繋ぐ?」
僕は聞く。
彼女の手が僕の手に当たった。
僕がそっと手を取ると握り返してくれた。
それからゆっくり手を絡める。
指と指の間に冷たい感触があった。
確かにそれは彼女の手だった。
僕がしっかり握ると彼女は言った。
「普通の繋ぎ方がいい」
「恥ずかしいの?」
少し笑いながら彼女を見た。
「違う、普通の繋ぎ方のほうがあったかいから」
「そっか」
手を繋ぐのは嫌じゃないんだ。
なんて思いながら僕は手を繋ぎ直した。
手を繋いで
読んでくださりありがとうございました。
もう卒業です。
制服はちょっと嫌だけど。
中学もちょっと楽しみだな。
ある日、彼女と出会った。
僕より10歳上の彼女は当時16歳だった。
隣の家の庭に彼女はいた。
傷だらけの手で汗を拭いながら笑っている姿を思い出す。
彼女の手は白かったが、かたくもあった。
理由を尋ねると、彼女曰く「花を育てているから」だった。
確かに、彼女の家の庭には赤い花が咲き、抜こうとするとトゲが刺さった。
おかしなことに彼女はその花を美しいと褒め、愛おしそうに眺めていた。
そして、だいたい彼女は僕にこういった。
「好きな人にこの花をもらうんだ」
その時の僕には理解ができなかった。
何故わざわざ棘のある花を貰おうとするのか。
今になって分かったが、その花はきっと薔薇だったに違いない。
狂ったように咲き誇っていた花の匂いを今も僕は鮮明に思い出せる。
今どこにいるか分からない彼女の匂いも薔薇の匂いだったように思う。
ふと、どこからか薔薇の匂いがした気がした。
花の香りと共に
読んでくださりありがとうございました。
もうちょっと詳しく書こうと思ったんですけど、私、薔薇の匂いを嗅いだことがなくて。
どんな感じか分かりませんでした。
君を探してどこまでも。
すみません。
女の子を知りませんか?
知らない?
困ったな。
本当にわかりませんか?
特徴?
ええと…。
白い帽子をかぶってます。
笑顔が可愛くて…。
あ、頬にそばかすもありました。
前髪はこれくらい。
それで…古いカバンを持っているはずです。
革の。
ええ。
サイズ?
そうだな…これくらい?
片手で持てるくらいの、旅行鞄?だったかな。
知らないですかね。
そうですか…。
分かりました。
それじゃあ、ありがとうございました。
君を探してどこまでも。
すみません。
女の子を知りませんか?
そうですか…。
本当に見てませんか?
そばかすがあって帽子をかぶってて旅行鞄を持ってます。
帽子の色?
…白です。
つばの広い。
見てない?
そうですか…。
君を探してどこまでも。
こんにちは。
女の子を知りませんか?
これくらいの大きさの革の旅行鞄をもってて。
つばの広い白い帽子をかぶってます。
あと、ほほにそばかすもありました。
そうですか。
すみません。
いえ、ありがとうございます。
はい?
あぁ、私、女の子を探して一年くらい歩いてるんです。
はい、そうなんです。
はい、頑張りますね。
失礼します。
君を探してどこまでも。
すみません。
女の子を知りませんか?
あぁ、今だと女性になっているかもしれませんが。
旅行鞄を持ってて、白い帽子をかぶってて、そばかすがあります。
はぁ…。
……見た?
本当ですか?
どこで?
自殺?
じゃあ違います。
あの子はそんなに弱くないですから。
そもそも、貴方本当に見たんですか?
そばかすがあった?
白い帽子も、鞄も、持っていなかったんですよね?
適当なこと言わないでもらえます?
名前?
名前は…。
なんだっけな……。
とにかく!
絶対に違いますから。
ありがとうございました。
は?
あぁ、私、かれこれ十年くらい探し回ってます。
君を探して
読んでくださりありがとうございました。
何度もおんなじ会話してると、めちゃくちゃシンプルに相手に伝えるようになりますよね。
※実際にあるかは知りません。
桜です。
私の命は二年しかありません。
一年目。
私は成長します。
風に揺らされ、生き物のすみかとなり一人前の木に成長しました。
二年目。
春にはピンク色に色づいた可愛らしい花を咲かせました。
夏には力強い緑の葉を。
秋には美しいオレンジの葉をつけ。
そうして、冬には葉を落とし、無事に生涯を遂げます。
そうそう。
私、子供いるんです。
今、どこにいるかわからない子供が。
私の子供も二年しか生きられません。
その間、私と同じように沢山のものにふれてくれたら何よりです。
終わり、また初まる
読んでくださりありがとうございました。
桜の花ってなんでピンクなんですか?