佐藤 と塩

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2/27/2024, 2:53:46 PM

ピシャッ
君は赤い湖をつくっていた。

クラスメイトだった。2人しかいない探偵部の部員だった。
少し変わった部活だった。僕達の活動内容は可愛らしかった。
後輩が無くしたくまちゃんのキーホルダーを探したり、別クラスのゆいちゃんは誰と付き合っているのか?という田中くんからの依頼を実施したり、探偵という探偵はしていなかったが毎日が充実していた。特に印象に残ってる依頼はイケメンの高瀬先輩の浮気をつきとめたときかな。まさかの担任の山内先生とだったんだよ、ほんとびっくりしたな。この頃はまだ良かった。まだかわいかった。

担任が赤い服と白い髭をつけてチリンチリンと教室に入ってきた頃だろうか。僕の斜め後ろの席には白色の花がさしてある花瓶がおいてあった。その子は寒い冬に耐えられなかったらしい。

君はもうこの時点で気づいていたのか?

隣の人からプールの匂いがする頃だ。前の席に白色の花がさしてある花瓶がおいてあった。その子は肺に酸素が足りなくなったらしい。

僕は疑問に思い始めた。

月見をしたくなった頃だ。1番後ろ端の席に白色の花がさしてある花瓶がおいてあった。その子は迷子になって自然の砂遊びに巻き込まれたらしい。

ここで僕の疑問は確信に変わった。

『死ぬ理由が幼稚すぎやしないか?』

3人目で確信したのはそいつが頭が良かったからだ。あいつが迷子になることはありえない。ましてや2人目も優秀だった。

そこで僕達探偵部は動いた。みんなに言った、「1人になるな」
「複数人でいろ」
僕らの読み通り1人になった奴らは凍死やらなんやらでいなくなった。

とうとうみんなで帰ることになったときぐらいから人が死ぬことはなくなった。だから安心してたんだ。

探偵部として先生方に事情聴取をしている時だった。君は山内先生をさリストに入れといてって言ったね。

その日君を部室に1人にした僕が馬鹿だった。

倒れてる本棚に頭が潰れてる君。微かに匂うあいつの香水の匂い。犯人も手荒だな胸の刺傷が丸見えじゃないか。

どんなに残酷な事件を調べても、母が死んだ時も怖いなんて感情を抱いたことがない僕が初めて『現実逃避』したいなんて思ったよ。

山内、お前の脳と俺の脳どっちが優秀かな?すぐに独房に入れてやるから荷造りでもしてろ、香水くせぇんだよクソばばぁ。





2/26/2024, 3:33:40 PM

『僕達は1000年以上生きれる種族だろ。だからまたきっとどこかで会えるさ』
そう言ってこの森を追放された君。他種族との恋愛は王家の私にとって絶対にあってはならない事だ。そんなの分かってる。
わかってたのに。

「会いたい。」

そんな気持ちが心の沼に沈みは浮かびを繰り返してはや228年。
瞬きをすれば1日が終わるそんな日々を過ごしていた。
私はこの浮び上がる気持ちを泡として流したかった。
だから私は家を出た。君の死体でも墓石でも見つけられればなって思ってたよ。そうすればきっと楽になれる。その快感を求めて沢山飛んだ、私の白い羽で沢山空を撫でた。私は空を撫ですぎたかな?地球が丸くなったみたいだ。

探してから何十年になるかなぁ。案外楽しいよ、自分の情けなさに気づけて。今日は久しぶりにご飯を食べたよそこら辺の枯葉を集めてこねた特性枯葉団子。意外といけるよ。

探して何百年になるかな。もう疲れたな。おやすみ。






『ねぇそこの君だいじょーぶ?』
声をかけられた。いいや眠いし無視無視。
『ねぇ、!おーい!』
うるさいなぁ。
『おーい!!!』
、、なんか暖かいな。
『 、』
、、なんか懐かしいな。


懐かしいという感覚だけにまかせて私は目を開いた。









あぁやっとみつけた。

私の、私のずっと探してた君は今ここにいる。
ずっと探してた愛しい黒い羽根の生えた君。


「みぃーつけ、、た、」

2/25/2024, 2:44:16 PM

拝啓20才の奏太くんへ
暖かな春風に包まれて近所の公園には桜色の絨毯が敷かれた頃でしょうか?
私たちも周りがピンクに色づく頃に出会ったね覚えてる?
面白かったなぁ奏太くん。私の目の前ですっ転んで。
ねぇねぇ
あなたは今何をしていますか?
なにか嬉しいことはありましたか?
嬉しいなぁこの手紙を開いてくれたってことはさ私の事まだ好きでいてくれてるんでしょ?
でもさ新しい恋もちゃんと探すんだよ?
私は今もずっと奏太くんを空から見てるからね成長した奏太くんを見てるからね、
私はもう元カノかな?
それでもいいや!奏太くんの好きなように生きて!!!
伽耶より

「今日は暖かいよ、俺ん家の前まで絨毯敷かれてるなぁ、
ちゃんと覚えてるよ。俺ほんとダサかったよな、鼻血までだしちゃって。俺今ね伽耶の事考えてるよ。嬉しいことはこの手紙読めたことかなぁ。うん好きだよずっとずっと好きだからね。そんな事言わないでよ。うんありがとう。違うよ今もずっと伽耶が今カノだよ。良くないでしょ、うん生きる。」

伽耶からの手紙を読むと物憂げな色だった空が一気に明朗な色へと変わった。