佐藤 と塩

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拝啓20才の奏太くんへ
暖かな春風に包まれて近所の公園には桜色の絨毯が敷かれた頃でしょうか?
私たちも周りがピンクに色づく頃に出会ったね覚えてる?
面白かったなぁ奏太くん。私の目の前ですっ転んで。
ねぇねぇ
あなたは今何をしていますか?
なにか嬉しいことはありましたか?
嬉しいなぁこの手紙を開いてくれたってことはさ私の事まだ好きでいてくれてるんでしょ?
でもさ新しい恋もちゃんと探すんだよ?
私は今もずっと奏太くんを空から見てるからね成長した奏太くんを見てるからね、
私はもう元カノかな?
それでもいいや!奏太くんの好きなように生きて!!!
伽耶より

「今日は暖かいよ、俺ん家の前まで絨毯敷かれてるなぁ、
ちゃんと覚えてるよ。俺ほんとダサかったよな、鼻血までだしちゃって。俺今ね伽耶の事考えてるよ。嬉しいことはこの手紙読めたことかなぁ。うん好きだよずっとずっと好きだからね。そんな事言わないでよ。うんありがとう。違うよ今もずっと伽耶が今カノだよ。良くないでしょ、うん生きる。」

伽耶からの手紙を読むと物憂げな色だった空が一気に明朗な色へと変わった。

2/25/2024, 2:44:16 PM