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3/14/2026, 4:14:43 PM

安らかな瞳

今日もぼくは友だちと公園であそんできた。服がどろだらけだ。家に帰ったらかあさんにおこられちゃった。ぼくが泣いてたらおばあちゃんがなぐさめてくれた。おばあちゃんはいつもやさしい。

塾からの帰り道。この辺りでいつもおばあちゃんがこっちに来てくれる。この日、おばあちゃんはグミをくれた。塾のある日にはいつもおばあちゃんがお菓子をくれる。中学受験、勉強大変だけど頑張るよ、おばあちゃん。

俺は今日友達とカラオケに行ってて帰りが遅くなった。その時突然スマホの通知が鳴った。
『おばあちゃんが倒れた』
父親から届いた唐突な連絡に、俺は泣きだすしかなかった。

もう高校生が終わる。当然かもしれないけれど、今まで仲良くしてきたみんなとはもう距離ができ、疎遠になるのだろう。それが辛くて悲しくて。
でも、これから人生ではもっと長い時間を生きることになる。6年間というのはそれだけ一瞬のことなんだろう。





こういう時、祖母のことをふっと思い出してしまう。
祖母が亡くなってから数年、実は祖母の死を実感できていなかった。というより、遠ざけて、見て見ぬふりをしていた。祖母の死は常に脳にこびりついて、出会いを見つけても、すぐに別れのことを考えてしまう。
子供がもうすぐ小学生になる。これからこの子はどんな人生を歩むのだろう。小学校で友達を作って、楽しく過ごしてくれればいいのだが。この子は大人になった時、小学校の時のことをどう振り返るのだろう。
僕はただ、安らかな目で見守ることしかできない。僕も経験したことなのだ。

10/3/2025, 3:03:51 PM

誰かの落とし物

「….」
おれは落ちている仮面ライダーのお面を服とおなかの間にしのびこませた。
「おい、おまえなにしてんだ!はやくとってこいよ!」
ケイのデカい声が聞こえた。
「ごめん、ちょっとまってて」
電柱のそばに落ちているボールをひろいあげて、おなかを抑えながら公園にもどった。
「おせえよ、お前がそらしたんだからはやくとってこいって」
「ごめんごめん」
ケイは相変わらず、おれに文句をつけてくる。ケイは野球をやるのに人数がたりないからとおれを毎回さそってくるけど、きてみれば毎回こうだ。
「じゃあモーチョがレフトやって。かわりにおまえはサードな」
おれはとりあえずボールはケイに渡して、かばんにお面をしまいにいこうとした。
「あ、おいおまえ、腹になんかかくしてるだろ」
察しのいいモーチョがおれの腹をさぐってきた。
「え、これ仮面ライダーじゃん!だっせー!」
モーチョとまわりのやつらにはやしたてられる。
そこでケイが血そうを変えてやってきた。
「おいおまえこれ、おれの弟のやつ。」
まずい。こんなことがあるのか。
「弟のやつ。ここにシールはってあるの。おれの弟がだいじにしてた。もしかして、ぬすんだのか?」
おれは何もいえなかった。泣くしかなかった。
人のものをぬすんで、野球はへたで、泣き虫で。あこがれの仮面ライダーとはほど遠いし、なさけなかった。
おれはなきじゃくって家にかえって、今までとってあった仮面ライダーのろく画をぜんぶ消した。

7/18/2025, 2:48:09 PM

Special day
陽は登る。
雲が来る。
雨が降る。
風が吹く。
陽は沈む。
月は輝く。
それだけ、
特別な日。

7/12/2025, 3:41:34 PM

風鈴の音がする。月が綺麗だ。
アイスが服にこぼれ落ちる。すぐに溶け、真っ白なTシャツに染みた。
「宿題、大丈夫なの?」
また言われた。同じことをここ数日で何回言われたことか。宿題は最終日に終わるように少しずつ進めてるってのに。
そんなことを考えながら、ぼーっと外を眺めてみる。あとこの生活も、残り半分も切ってしまった。毎日ダラダラして、一体何になるんだろう。アイス棒をさっさとゴミ箱に投げ捨てた。
「もう寝なさいよ。」
「分かったよ、もう。」
そう言いながらも、足を放り出しながら、まだ外をボーッと眺める。こんな日が、あと何日続くんだろな。