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安らかな瞳

今日もぼくは友だちと公園であそんできた。服がどろだらけだ。家に帰ったらかあさんにおこられちゃった。ぼくが泣いてたらおばあちゃんがなぐさめてくれた。おばあちゃんはいつもやさしい。

塾からの帰り道。この辺りでいつもおばあちゃんがこっちに来てくれる。この日、おばあちゃんはグミをくれた。塾のある日にはいつもおばあちゃんがお菓子をくれる。中学受験、勉強大変だけど頑張るよ、おばあちゃん。

俺は今日友達とカラオケに行ってて帰りが遅くなった。その時突然スマホの通知が鳴った。
『おばあちゃんが倒れた』
父親から届いた唐突な連絡に、俺は泣きだすしかなかった。

もう高校生が終わる。当然かもしれないけれど、今まで仲良くしてきたみんなとはもう距離ができ、疎遠になるのだろう。それが辛くて悲しくて。
でも、これから人生ではもっと長い時間を生きることになる。6年間というのはそれだけ一瞬のことなんだろう。





こういう時、祖母のことをふっと思い出してしまう。
祖母が亡くなってから数年、実は祖母の死を実感できていなかった。というより、遠ざけて、見て見ぬふりをしていた。祖母の死は常に脳にこびりついて、出会いを見つけても、すぐに別れのことを考えてしまう。
子供がもうすぐ小学生になる。これからこの子はどんな人生を歩むのだろう。小学校で友達を作って、楽しく過ごしてくれればいいのだが。この子は大人になった時、小学校の時のことをどう振り返るのだろう。
僕はただ、安らかな目で見守ることしかできない。僕も経験したことなのだ。

3/14/2026, 4:14:43 PM