今、ねむれなくてこれを書いてる。
最近ドジな自分を嘆いていたら夫が救ってくれた。
―やっぱりこの人だ。
しかし、何でも分かりあえると思った夫は
今日、つま先でちょっぴり
わたしのことを追い詰めたかのようだった。
わたしは哀しかった。文字通り、自分を哀れむほかない。
そもそも夫は、こんな文章を喜んで読むタイプではない。他人に解ってもらおうとするのが間違いなのか?
もうわたしはよく解らない。
「あなたとならこんな荒波の世でも渡っていける」
そう思った矢先だったが。
人間とは、割りきりの必要な生き物なんだな。
そっか。
人生とは、そもそも修行の場だったんだよな。
―自分で過去に記した言葉を、思い出す。そして涙が溢れる。
その心はきっと
「この世も捨てたものじゃない、と思いたい」。
#ハタチ。
ハタチ。成人式の日は、はじめて付き合った彼との再会の日でもあった。
スーツに身を包み、ストライプ柄の青いネクタイを締めた彼は、控えめに言っても素敵で
「スーツマジック」の威力を思い知った。
桃色とクリーム色の混ざった振り袖を着た私に
「相変わらずかわいい」と早口で呟いたのが聞こえて、つい口元がゆるむ。
新着メール問い合わせを何回しただろう、彼との交際期間には。
彼の、嫌みのない素直な文面が好きだった。
今の彼がどんな文章を書こうとも、私には心底どうでもいいのに。
家族で行った旅行先の、シワひとつない真っ白なベッドに横たわりながら彼の顔を思い出したことが
なぜかこのうえなく幸せだった。
―ハッピーエンドに至らなかった恋なんて、無駄とさえ思っていたけど。
あなたが私に向けてくれたあの表情は
自信をなくしかけた時、自尊心という名前でキラッと光ってくれる。そんな存在。
庭園に咲き誇る、色とりどりのチューリップ。
足元に咲く真っ赤な八重咲きのチューリップは
華やかな世界に生きる、気の強いアイドルのよう。
視界のふちを柔らかく彩るのは、優しいたまご色のチューリップ。
ほんわか優しい、彼みたいな色。
並んですらりとそびえるオレンジ色のチューリップ。
背が高くて、媚びないヘルシーな美しさ。
濃紫のチューリップ。
スッキリした葉をまとわせた姿に感じる、酔わされそうな魔性。
もしチューリップ達が自分以外のチューリップに憧れていたとしたらこう言いたい。
どれも素敵だ。
みな今すぐに自分のよさを自覚してくれ、と。
古くて苦い記憶は
「心に刺さったトゲ」とか呼ばれる。
トゲはあなどれない。
昔家庭科の先生が私達生徒に向けて強く言った。
「針は机にそのまま置かないよ!もし皮膚に刺さることがあったら、体のなかを通って心臓を貫通するかもしれないからね!」
この話、真相は分からないが
トゲを針の一種とするならば、心に刺さったトゲで人は死ねるか?
いや、それはないと思う。
古傷であるトゲが体を蝕んで、いますぐ生死を分けることがあろうはずがない。
ならば、心に刺さっているのは
ツララが近い。と私は思う。
いつの日か溶けるときが来る。
太陽のような誰かが現れてアツく溶かしてくれるかもしれないし
自分で、人工的にせっせとドライヤーを当てることになるかも。
はたまた、春風が吹く中滴る草木への養分になる可能性もある。
モノは使いよう。
ツララ=今抱えてる私の悩みが、後の自分を助けることや誰かのためになればいいなと本気で思う。
お題に反するけど、変わらないものは
存在すると思うんだ。
それは、人の魂。霊魂。
善人と悪人って、一概には決められないけど
多くの人に惜しまれてこの世を去った人と、死刑囚が同じ世界に逝くとは到底思えない。
だから、前世というものも信じる。
神様…はちょっとよく分からないけど、ご先祖様の存在は信じている。
私は急逝したおじいちゃんが、大好きだったから
生きているうちにあった、良かったことは
おじいちゃんのご加護あってこそだと思ってるんだよ。
おじいちゃん。いつもありがとう。
少なくとも、私にとっては素晴らしい人だったからこの世でまた修行してるとは思わないなぁ。
神様。
もしいらっしゃるなら、どうかおじいちゃんに
生きてた時の苦労の分くらいは楽しいことを経験させてあげてほしいです。