サヤカアイ

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6/24/2024, 10:08:03 AM

1年後には良い部下になれると本気で思っていた。
しかし、いざ1年経てば、いや、1年経たなくても新人はみんな消えていった。
給料が安いだの。残業時間が長いだの。
それだけの理由で。
私が悪いのか、私の何が悪いのか?
私はブラック企業に負けないように、朝から夜中まで働いて働いて働いた。それを他の人には強要していない。
それだけなのに。

6/23/2024, 11:43:09 AM

子供の頃は立派な大人になれると思っていた。
だが、大人になって分かった。
立派な大人になんかなれないことを。
この苦痛の人生から早くいなくなりたいと思う。
でも、そんな勇気なくてただ息をするだけ。
この人生が早く終わればいいのに。
願っても翌日には必ず起きている。
息をして仕事をして、終わったら倒れるように寝る。
助けてなんて誰にいうことも出来ず。
あのサイコな店長に振り回されながら。
助けてなんて言わずに、早く楽にしてくれと言えずに。

6/21/2024, 10:18:56 AM

今日の僕はひと味違う。
いつもの服装じゃなくて、好きな色のコーデだ。
好きな色の服を着て、好きな色の鞄を持って外に。
仕事に行くまでに君に思いを馳せながら歩く。
少し無愛想で、僕のことが大嫌いだけど付き合ってくれる君。君がトボトボと歩いているのを見かけた。
僕はとびきりの笑顔で挨拶をする。
「おはよう、今日も綺麗だね」
「……まだ寝ぼけてるのか?全く」
「君に無視されるのは嫌だな……今日こそ一緒に行こ」
「遅刻するからわしはひとりで行く」
君はそう言うと早足で僕から離れようとする。確かに、大好きな仕事に遅刻する訳には行かないもんね。
「そうだね……君と一緒に歩きたいから走っていくよ!」
僕の隣に並んで歩く君へ手を差し出すと君はうっとおしそうに手を払う。だけど、僕の服装を見て彼は目を丸くする。
「わ、わしの髪の色の服にわしの目の色と同じ鞄!?」
「うん、どうかな?」
「近寄るな、気色の悪い」
君はそう言うと走り始めた。
全く恥ずかしがり屋なんだから

6/20/2024, 10:52:28 AM

あなたがいたから、今の私がいる。
彼はいつもそう言った。
だが、そんなことないと思う。
誰だって、あの時僕のように君のそばにいて、君が死にそうになった時に手を少し伸ばせばそんな存在になれる。
すると、彼は少し悲しそうに笑うのだ。
あの時たまたまいた人があなたで良かった。

5/29/2024, 12:44:52 PM

「ごめんね」
彼女は私の目の前でそう呟いた。
俯いていて顔は見えないが、ただ震えていた。

「ごめんね」
私はそっと手を伸ばすが、彼女には届かない。
あぁ、泣かないでくれ。
心配しないでくれ、また誰かに会えるから。
悪いことをしたなんて思わないでくれ。
仕方がないことだと、私が神様に伝えてあげるから。

「ごめんね」
彼女はそう言って、私から離れていく。
私は泣いた。
今日ぐらい泣いても構わないだろう。
明日には息絶えるから。
泣いて、泣いて、泣いた。
そして、明日が来る前に息絶えた。

「昨夜、コインロッカーに赤ん坊を置き去りにした女性が逮捕されました。犯人は……」

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