サヤカアイ

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今日の僕はひと味違う。
いつもの服装じゃなくて、好きな色のコーデだ。
好きな色の服を着て、好きな色の鞄を持って外に。
仕事に行くまでに君に思いを馳せながら歩く。
少し無愛想で、僕のことが大嫌いだけど付き合ってくれる君。君がトボトボと歩いているのを見かけた。
僕はとびきりの笑顔で挨拶をする。
「おはよう、今日も綺麗だね」
「……まだ寝ぼけてるのか?全く」
「君に無視されるのは嫌だな……今日こそ一緒に行こ」
「遅刻するからわしはひとりで行く」
君はそう言うと早足で僕から離れようとする。確かに、大好きな仕事に遅刻する訳には行かないもんね。
「そうだね……君と一緒に歩きたいから走っていくよ!」
僕の隣に並んで歩く君へ手を差し出すと君はうっとおしそうに手を払う。だけど、僕の服装を見て彼は目を丸くする。
「わ、わしの髪の色の服にわしの目の色と同じ鞄!?」
「うん、どうかな?」
「近寄るな、気色の悪い」
君はそう言うと走り始めた。
全く恥ずかしがり屋なんだから

6/21/2024, 10:18:56 AM