ヨルガオ(短編小説)

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7/25/2023, 1:15:24 PM

『子は親に似る』

この言葉を聞いた事がある人はいるだろう。

まあ意味はそのままなんだが…

君は、なんで親に似るか考えたことはあるか?

DNAが同じだから?親の理想を押し付けられるから?

違う。

私欲の為に親と同じ行動をするからだ。

簡単に言えば、ストレス発散だな。

親に殴られた子は、

そのストレスを他者を殴ることで発散する。

勉強を押し付けられ、自由が無い子は、

自分の子供を同じように縛り、発散する。

表面上は笑顔でも中身は誰も知らないし見えない。

これって常識だろ?

結局、どんなに大人になったって

自分の親という鳥かごの中にいつまでもいるのさ。


ー鳥かごー

7/24/2023, 1:49:31 PM

ずっと、友達だと思ってた。

これから先も。

「俺、お前の事が好きなんだ」

『……は?』

口から出たのは戸惑いと疑問。

これまで友達と思っていた人からの告白。

これほどまでに返事が困る事が世の中にあるんだと実感した。

彼を恋人として見ることが出来ない。

でもここで断ったら、もう二度と友達に戻らないんじゃないかと思う。

僕の友情は、彼にとっての恋情だったらしい。

『……僕達、友達じゃ駄目かな』

「……これから先も…か?」


ー友情ー

7/23/2023, 1:40:13 PM

花の咲いている時間が1番嫌いだ。

その後枯れてしまうから。

どうやら俺は後のことを考えすぎるらしい。

花なんて、咲いて終わりだ。

なのに、

なんで終わるものに価値などつけるのか。

身体に取り込んで養分にするわけでもないし、

必要性もあまり高くない。

無くてもそこまで困らないものに。

…まあ、そこが嫌いで好きなんだけどな。


ー花咲いてー

7/22/2023, 12:45:06 PM

「もしもタイムマシーンがあったなら?」

「お父さん、変なこと聞くね」

「んー、そうだなぁ……」

「…昔のお父さんとお母さんに会いに行くかな」

「まだ結婚してない時の」

「なんでって…そんなの気になるからじゃん」

「今よりもずっと若いからな〜。どんな顔してるのか見てみたい」

「…………え、そうなの…?」

「いや…別に信じないわけじゃないけど……」

「『昔、高校生の私に会った事がある』って…」

「じゃあ私が高校生になる頃にはタイムマシーンがあるんだ」

「…もうそんな時代なんだ〜。なんか不思議」


ーもしもタイムマシーンがあったならー

7/21/2023, 10:47:59 AM

私はよく、物を無くす。

「これじゃない?美希が落としたハンカチ」

『ん〜…、多分これだ。ありがとう』

「美希ってば、手洗い場の下にあったよ。落とした時に蹴っちゃったんじゃない?」

『そうかも…ごめん。気をつけるね』

無くした物は、友香が見つけてくれる。

本当に頼りになる親友だな。

「…そろそろ家に帰らないといけないんじゃない?」

『そうかも…』

「はい、じゃあ私の腕に捕まって」

「白杖、ちゃんと持った?」

『ちゃんと持った。行けるよ』

…………。

いろんなものを見つめるあの瞳が嫌い。

私だけを見ていて欲しい。いや、感じて欲しい。

……そうだ。

みんなが美希の事を迷惑だと思えばいいんだ。

そのためには目を潰さなきゃ。

私だけの美希になるために。


ー今一番欲しいものー

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