ヨルガオ(短編小説)

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6/20/2023, 10:52:52 AM

あなたがいたから

そう聞いて、良い意味として捉える人は一体何人いるのだろうか。

あなたがいたから助かった。

あなたがいたから生きることが出来た。

こう捉える人はきっと多数いる。

けど、こうも考えてほしい。

あなたがいたから助からなかった。

あなたがいたから生きられなかった。

こんな意味の時あるから。

……理解して欲しかったね。


ーあなたがいたからー

6/19/2023, 10:34:22 AM

黒板に書かれた落書きの相合傘。

そこには私と彼の名前が。

男子たちが冷やかしで書いたのだ。

私は恥ずかしさで前を向けなかった。

「お前ら、何やってんの」

彼が笑っている男子たちに一言。

『相合傘だよ。お前らってそういう関係だからな』

くすくすと笑う。

ああ…。もう、早く消して。

「……カッコ悪。てかこれ、書き方ちげーし」

そういうと彼は、傘だけを消し

私にだけ傘をさすように書いた。

『お前、相合傘じゃねーじゃん』

「は?これが本当の相合傘だよ」

「2人でさしたら絶対雨で濡れるだろ」

「男が女の子に風邪ひかしてどうするんだよ」

…彼らしい。

…そういう貴方が好きなの。


ー相合傘ー

6/18/2023, 10:44:30 AM

「私は…皆んなに言いたいことがあるー!!!」

『なーにーー!?!?』

この学校恒例の行事。

それは屋上から自分の思いを全校生に向けて叫ぶというもの。

私はこの日を楽しみにしていた。

この瞬間がたまらなく好きだからだ。

「……私は………」

「ここを、飛び降ります!!!!」

先生や生徒の雰囲気がガラッと変わった。

この瞬間が……この瞬間が1番好きだ!!

好奇心が不安へ…そして恐怖に変わるこの瞬間が!!

『早く屋上へ人を向かわせてください!』

先生が慌てている。

そりゃそうか。この屋上には今、私しかいないのだから。

……さぁ。

皆んなの記憶に残るために、残酷な姿になってあげるからね!!


ー落下ー

6/17/2023, 2:15:38 PM

ふふ。

来てくれたのね。嬉しい。

………。

あら……。動かないでよ。

変な所に刺さったじゃない…。

まあいいわ。

運の良い貴方に教えてあげる。

一年前、私が見つけた青い本。

あれには貴方の未来が書かれていたの。

何日に誰が何をするかまで、事細かく。

……ごめんなさいね。

貴方がここに来るのは一年前からわかってたの。

これでやっと貴方を私のものにできるわ。

この日をずぅっっと待ってたの。


ー未来ー

6/16/2023, 11:36:17 AM

2023年1月17日

 今日は友達3人と遊びます。しかし、その帰り道で転びます。

2023年2月14日

 今日はA子からチョコを貰います。とても楽しい1日でしょう。

2023年3月10日

 今日は先輩の卒業式があります。きちんとお別れを言いましょう。

2023年4月16日

 今日は部活で帰りが遅くなります。暗いので田んぼに落ちます。

2023年5月2日

 今日はA子ちゃんの誕生日です。A子ちゃんにはスケッチブックを渡しましょう。

2023年6月15日

 B子さんに本についての話をされます。落ち着いて聴きましょう。

2023年6月17日

 図書館へは行かないようにしましょう。

………。

あら。ここで途切れてるわ…。

…なるほどね。この日に私は……。ふふふ。

楽しみだわ。この日が待ちどうしい。


ー1年前ー

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