ヨルガオ(短編小説)

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6/10/2023, 11:55:57 AM

「やりたい事をしなさい」

そう言われたから、親の命令に今まで従ってきた。

周りからは

「したい事がないのか」

「自由なんだから、なんでもしたらいいのに」

そう言われてきた。

自由だから、親に従う。

自由だから、自分の好きな事をする。

親に従って何が悪い。

私にとって親が1番なんだから

自由なんだから

私の好きな事をさせろよ。

自分の自由を人に押し付けるな。


ーやりたいことー

6/9/2023, 10:31:22 AM

私はいつも貴方の声で目を覚ます。

「おはよう」

その優しく包み込むような声が

私は好きだった。

でも、その「おはよう」が私だけの物では無いと

あの時知ってしまった。

貴方は私より、あの子の事が好きなのね。

悔しくて、悔しくて、仕方なかった。

貴方を私だけのものにしたい。

………。

ねぇ、

また「おはよう」って言ってよ。

返事して、朝日くん。


ー朝日の温もりー

6/8/2023, 10:46:06 AM

「じゃ、私こっちだから」

『あ…。うん。またね』

彼女の言葉を聞いて、少し迷った。

一緒に帰りたいと言うべきか。そうでないか。

だがもう遅い。

彼女はもうすでに横断歩道を渡っている。

また、明日誘おう。

そう思った瞬間、

ドンッッッッ!!!!!!

と、衝撃音が響いた。

振り返って真っ先に目に入ったのは

彼女だった肉の塊。

一緒に帰りたい。

そう言えば…そう言っていれば…。

彼女に触れた僕の手を、冷たい風が強く撫でた。


ー岐路ー

6/7/2023, 11:08:52 AM

もう、終わっちゃうな。何もかも。

診断書を見ながら、私は思った。

私には時間がない。あと少ししか生きられない。

もっと生きたい。愛する夫と一緒に。

でもそんな思いは聞き入れてもらう事もなく、

ある日突然、神は私を殺した。

次に目を開けたら、天国にいた。

これで、夫は私に縛られずに自由に生きられる。

ホッとしたが、寂しかった。

そんな時、夫が目の前に現れた。

ここは天国なのに。なんで貴方が。

「え、もう来たの……。最悪」

貴方にはもっと生きてて欲しかったのに。


ー世界の終わりに君とー

6/6/2023, 10:42:37 AM

俺の妻が死んだ。

ガンによって死んだ。

いつも大丈夫って意地張って

いつも謝ってばかりの妻が死んだ。

最愛の人だった。

お前を失った俺は、一体何を糧に生きていけばいいんだ。

芸能人?宝石?

お前以上に好きになる物なんてこの世に無い。

…死ねばお前に会えるか……?

………。

ここは……。

『え、もう来たの……。最悪』

…は?

お前は…俺が来て嬉しく無いのか?

愛していたのは俺だけだったのか?

…ああ、そうかよ。

俺もお前なんかの為に死んでしまって最悪だよ。


ー最悪ー

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