ヨルガオ(短編小説)

Open App

「じゃ、私こっちだから」

『あ…。うん。またね』

彼女の言葉を聞いて、少し迷った。

一緒に帰りたいと言うべきか。そうでないか。

だがもう遅い。

彼女はもうすでに横断歩道を渡っている。

また、明日誘おう。

そう思った瞬間、

ドンッッッッ!!!!!!

と、衝撃音が響いた。

振り返って真っ先に目に入ったのは

彼女だった肉の塊。

一緒に帰りたい。

そう言えば…そう言っていれば…。

彼女に触れた僕の手を、冷たい風が強く撫でた。


ー岐路ー

6/8/2023, 10:46:06 AM