「あ、お…おはよう!!」
『……おはよう…』
僕に急に挨拶をされて、君は少し戸惑った
「………えっと、」
言うんだ。勇気を出して、言うんだ。
「……あ、今日……さ…」
『……?』
「今日…ご、午後から晴れるらしいよ!」
『……そう』
ばかばかばか!!!!!!僕は何言ってるんだ!!
そんな話はどうだっていいんだ!!
「……あのさ」
『…え?』
僕が君に話したいことは………
「……今日、放課後空いてる?」
「君に伝えたい事があるんだ」
ー天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、ー
「それはお前がひとりから逃げてるだけだろ」
これは、私が告白した男子から言われた言葉。
初めは耳を疑った。
私は勇気を振り絞って思いを伝えたっていうのに、
何でこんなことを言われなきゃいけないんだ。
「……ごめん」
涙を堪えながら私は背を向け、走り出した。
順調だったのに…ここまで順調だったのに…!!
………あ、そうか。
私…ただ独りが嫌なだけなんだ。
ひとりじゃない…独りから逃げてるんだ。
ーただ、必死に走る私。何かから逃げるように。ー
何でこうも人生は上手くいかないんだろうか
何で最愛の人はガンになってしまったんだろうか
何で一緒に入れる時間がこんなにも少ないんだろうか
何で病人は大丈夫っていうんだろうか
何でダメな時ほど見栄を張りたくなるんだろうか
何で病人はいつも「………」っていうんだろうか。
お前は何も悪くないのに。
ー「ごめんね」ー
あ、やっぱり来た。
あれ?昨日まで長袖だったのに、今日は半袖なんだね
そっかー。夏がもう来たんだ。
じゃあ、あの時からもう少しで1年だ。
いや〜、早いもんだね〜。
君もこんな頻繁に来なくていいって。
そんなに私の事好きなの〜?照れるなぁ。
………。
謝らないでよ。
君が悪い訳じゃないんだから。
……。
あーあ。
好きって伝えてたらよかったな。
成仏出来ないじゃん…。
ー半袖ー
裕福な家庭に産まれて
勉強も申し分ない程に出来る。
周りからは欲しいものが買えて羨ましい。と
いつもそればっかり言われる。
そう。そればっかり。
俺の人生は側から見たら天国なんだろうが、
俺はそうは思わないね。
お前らは金で買えない友達を持ってる。
真正面から話し合える友達を。
俺にはそういう友達は居ない。
居るのは金に集る奴か、俺の顔を知らない奴だけ。
仲良くなっても俺の顔を見れば気持ち悪がるだろう。
普通の顔に産まれたかったな。
こんな、爛れた顔じゃなくてさ。
ー天国と地獄ー