ヨルガオ(短編小説)

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5/26/2023, 10:26:07 AM

お月様、お願いです。

どうかその姿を現さないでください。

貴方が綺麗な円の姿になる日、

それが今日なのです。

今夜、私は彼女に想いを伝えます。

お月様、貴方が現れたら私の惨めな姿を彼女に晒してしまうのです。

だからお願いです。

どうか雲に隠れていてください。

こんなちっぽけな狼男の願いを

どうか聴いてください。


ー月に願いをー

5/25/2023, 10:25:38 AM

涙雨がポツポツと私に降り続く。

空と私の気持ちは繋がっているのかしら。

だったら困るわ…。

私の気持ちが…空音が貴方に伝わってしまうじゃない。

大っ嫌いって言ったけど

本当に大好きだったの。

私は泡沫の様な貴方を愛していました。

この寂寞の思いが貴方に言葉で伝わるまで

きっとこの雨は止みません。


ーいつまでも降り止まない、雨ー

5/24/2023, 10:27:58 AM

いまから1年後の今日には

きっと貴方はこの世にいない。

ただ、それだけを伝えたくて私は手紙を

かきました。

って……急だよね。ごめん。でも安心して。私は今、

たくさんの白い菊に包まれて幸せです。だから…もう

なかないでください。


ーあの頃の不安だった私へー

5/23/2023, 10:59:06 AM

ある日突然、僕は余命宣告をされた

あと1ヶ月ほどの命だそうだ

良いことなんて僕には無いんだ

そう思っていた

天使が現れるまでは。

『僕とあそこで遊んでよ』

天使は空を指差した

「…どうやっていけばいいの?」

『僕は天使だよ?連れてってあげるさ、君を』

『さ、僕の手を掴んで』

空中で舞う天使は僕に手を差し出す

…綺麗だ

僕はその手を掴んだ…

そう

掴んだはずだった。

「え」

身体がフワッと宙に舞ったと同時に天地が逆さになった。

鈍い音が鳴り、僕は肉の塊になった。


ー逃げられない呪縛ー

5/22/2023, 10:22:15 AM

あと1時間で今日が終わる

思えばとても長かったな

いや、

僕が決心するのが遅かったのか

もっと…もっと早く決めておけば…

こんな思いを昨日までしなくてよかったのだろうか。

……

深く考えても仕方がない。

昨日を終わりにしよう。

きっと……、明日はいい人生になるだろう。

僕は笑顔で紐に首を通した。


ー昨日へのさよなら、明日との出会いー

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