ヨルガオ(短編小説)

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ある日突然、僕は余命宣告をされた

あと1ヶ月ほどの命だそうだ

良いことなんて僕には無いんだ

そう思っていた

天使が現れるまでは。

『僕とあそこで遊んでよ』

天使は空を指差した

「…どうやっていけばいいの?」

『僕は天使だよ?連れてってあげるさ、君を』

『さ、僕の手を掴んで』

空中で舞う天使は僕に手を差し出す

…綺麗だ

僕はその手を掴んだ…

そう

掴んだはずだった。

「え」

身体がフワッと宙に舞ったと同時に天地が逆さになった。

鈍い音が鳴り、僕は肉の塊になった。


ー逃げられない呪縛ー

5/23/2023, 10:59:06 AM